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243. 浸透圧
(1) (b) (2) 8.3×10¹Pa
解説 濃度の異なる水溶液を半
透膜で仕切って放置しておくと,
濃度の小さい水溶液中の水分子が
半透膜を通って濃度の大きい水溶
液中に浸入する (図(a))。 このと
き, 液面を一致させるために加え
る圧力が浸透圧である(図(b))。
水
(a)
(b)
(1) 純水の一部が半透膜を通ってグルコース水溶液中に入りこむため
グルコース水溶液中の液面が上昇する。
(2) 質量 wo[g]の物質のモル質量を M[g/mol] とすると, その物質量
[mol] は, n= w/M と表される。 グルコース C6H12O6のモル質量は 180
g/mol であり, 1.2gのグルコースを水に溶かして 200mL(=0.200L)に
した水溶液の浸透圧は, IIV = nRT = (w/M) RT から,
II =
WRT 1.2g×8.3×10°Pa・L/(K・mol) × (273+27) K
MV
M = -
180g/mol×0.200L
...
IIV
グルコー
レス水溶液
はじめ
の水位
- 半透膜
244. 浸透圧と分子量
解答 7.0×10'
解説 V[L] の溶液の浸透圧を / [Pa], 溶質分子をn [mol] とすると,
T[K]のとき, IIV = nRT が成り立つ。溶質の質量をw[g] , モル質量を
M[g/mol] とすると, n= w/ M なので, IIV = nRT = (w/M)RT となる。
0.059gのタンパク質を溶かして10mL(=0.010L)にした水溶液の浸透
圧が, 27℃で2.1×10Pa であったので,
wRT_0.059g×8.3×103Pa・L/(K・mol)×(273+27)K
2.1×102Pa×0.010L
=8.3×10'Pa
=6.99×10kg/mol
したがって, 分子量は 7.0×10 となる。
Check 溶液の浸透圧 (ファントホッフの法則)
M=
WRT
IIV
②ファン
32 ) 浸透圧は溶質粒子のモル濃度に比例する。 したがって、2番目に
「質粒子のモル濃度が大きい (ウ)が該当する。
lle
246. 希薄溶液の性質
245. 電解質水溶液の性質・
解答 1 ) (2) (ウ)
解説 (ア)の尿素 CO (NH2)2は非電解質であるが, (イ)の塩化ナトリ
ウム NaCI, (ウ)の塩化カルシウム CaCl2, (エ)の硫酸アルミニウム
SO4)3 は電解質である。 (イ) (エ) は次のように電離する。
NaCl → Na+Cl-
(ウ) CaCl2 → Ca²+ +2Cl-
Al2(SO4)3 2A13++3SO-
などのた
させない
このため、(イ)の粒子の物質量は2倍,(ウ)は3倍,(エ)は5倍になる。
溶液中の溶質粒子の物質量が多いほど, 蒸気圧は低くなる。した
上がって, 最も溶質粒子の物質量が多い (エ) が該当する。
(ウ)
解説 (ア) (正) 溶液の沸点上昇度は,質量モル濃度 [mol/kg]に
北例する グルコースは非電解質なので、質量モル濃度は0.1mol/kg
である。一方、水酸化ナトリウム NaOH は次のように電離する。
NaOH→ Na++ OH-
(0.05×2) mol
1kg
-=0.1mol/kgと
したがって, 溶質粒子の質量モル濃度は
り両溶液の沸点はほぼ等しくなる。
(正) 溶液の凝固点降下度も、質量モル濃度に比例する。した
がって, 0.1mol/kg グルコース水溶液の方が 0.2mol/kg グルコース水
液よりも凝固点降下度は小さくなるため,凝固点は高くなる。
ウ)(誤)濃度の異なる溶液を半透膜で仕切ると,低濃度側から高濃
度側へ溶媒の浸透がおこる。 したがって, 純水側から赤血球内へ細胞膜
半透膜)を通って水が浸透するので、 赤血球はふくらむことになる。
(正) 漬物では, 野菜の細胞中の水分が,細胞膜 (半透膜)を通っ
外側の濃い食塩水の方へ出てくる。
47. コロイド溶液の性質
II=cRT IIV=nRT IIV=-
EMRT
3) 限外顕微鏡 ® を用いてコロイド溶液を観察すると, コロイド粒子が
不規則に運動していることがわかる。 これは, 分散媒の分子がコロイド
子に衝突することによって, コロイド粒子が不規則に動くためである。
このような現象をブラウン運動という。
[ⅡI : 浸透圧 [Pa] c:溶液のモル濃度 [mol/L]
R: 気体定数 8.3×10°Pa・L/(K・mol) [T: 絶対温度 [K] V: 溶液の体積(L) 4) 豆乳やゼラチン溶液などの親水コロイドの溶液は、少量の電解質
w : 溶質の質量 [g] M: 溶質のモル質量 [g/mol]
を加えても沈殿しないが、多量の電解質を加えると沈殿する。 このよう
現象を塩析という。
5) 硫黄や水酸化鉄(ⅢI) のコロイドなどの疎水コロイドの溶液は,少
の電解質を加えると沈殿する。 このような現象を凝析という。
(1) 3 (2) 5 (3) 4 (4) 0 (5) 2
解説 (1) デンプン水溶液のようなコロイド溶液に強い光をあてる
光の通路が輝いて見える このような現象をチンダル現象という。
2) コロイド粒子は正または負に帯電している。たとえば,水酸化鉄
ⅢI) のコロイドは正に帯電しているので,直流電圧をかけると、 コロイ
粒子は陰極側へと移動して、 少し赤褐色が濃くなる。 このように,帯
したコロイド粒子が電極に向かって動く現象を電気泳動という。
①ファントホッフの法則
から 浸透圧/ [Pa] は
次のように表される。
II=cRT
48. コロイド溶液・・・・・
解答 (1) 透析 (イ) 酸 (ウ) 凝析 (エ) 疎水 (オ) 正
2) (2
沸点上昇度 △t と質量
モル濃度の関係は, 次
式で表される。
At=Km
②凝固点降下度△と質
量モル濃度の関係は,
次式で表される。
At=Km
第Ⅲ章 物質の状態
1 コロイド粒子が光を散
乱させるため, 光の通路
が輝いて見える。
② コロイド粒子は正また
は負に帯電している。
正コロイド: 水酸化鉄
(Ⅲ), タンパク質など
負コロイド: 粘土, 白金
など
③限外顕微鏡は, 横から
強い光をあて、コロイド
粒子を光の点として観察
できるものである。
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