-
さらに重合が進んで硬化し,いかなる溶媒にも不溶
となる。また,加熱により網目構造がより複雑に発
達するので、再び加熱しても熱運動によって分子間
の結合が弱くなって軟化することはない。このよう
な合成樹脂を熱硬化性樹脂といい,このほかにメラ
ミン樹脂,アルキド樹脂などがある。
HO
H+N-(CH)。-N-C-(CH)。-Ct.OH
+ (2n-1)H.O
上式よりポリマー1分子中のアミド結合の数は、
縮合反応によって脱離した水分子の数(2n-1)(個)
と等しい。
2n-1=2×2.94×10°-1=5.87×10°(個)
(注意)ナイロン610 の分子量は,末端の-Hと-OH
を考慮すると,282n+18 であるが,高分子化合物
でnが十分に大きいときは,282n+18=282n とし
て計算しても結果は変わらない。同様に,アミド結
合の数も本当は2n-1(個)であるが,nが十分に大
きいときは,2n-1=2nとして計算してもよい。
(3)題意より,ナイロン6の1分子につきカルボキ
シ基は1個存在するから,その分子量を M'とする
参考
メタクリル酸メチルはメチルアクリル酸のメチ
ルエステルのことで、ポリメタクリル酸メチル
(メタクリル樹脂)は、透明度が高く有機ガラス
に利用される。
H
CH。
H CH。
-C-C
H COOCH:
付加重合
H
COOCH。
フェノール樹脂 フェノールのベンゼン環(o-
位やp-位)がホルムアルデヒドに付加してメチ
ロール基(-CH.OH)を生じる。これがさらに別
のフェノールと脱水縮合して生じた三次元網目
構造の熱硬化性樹脂である。
アルキド樹脂 多価アルコールと多価カルボン
酸との縮合重合で得られるポリエステル樹脂の
ことである。グリセリンと無水フタル酸からつ
くられるグリプタル樹脂はその代表で,自動車
用の塗料などに用いられる。
ゴム 二重結合を2個含む単量体の付加重合体
であり,そのくり返し単位にも二重結合を1個
ずつ含むのが特徴である。合成ゴムには,2種
類以上の単量体を共重合させて得られるものも
ある。
と,
100
=0.0030
. M'=3.3×10
M'
ナイロン6の分子量は113n+18と表せるので、
113n+18=3.3×10°
(4) e-カプロラクタム(ラクタムとは環状アミド結
合をもつ物質の総称)に少量の水を加えて加熱する
と,開環重合が起こりナイロン6が生成する。融解
したナイロンを細孔から押し出して紡糸するとき,
張力を与えることによって,ナイロンの分子鎖はア
ミド結合の部分が向かい合い,できるだけ多くの水
素結合ができるように配列し,強い丈夫な繊維とな
: n=2.9×10°
>317(ア)ポリアミド (イ)ヘキサメチレンジ
アミン (ウ)縮合重合 (エ) e-カプロラクタム
る。
(オ)開環重合
(5) 芳香族ポリアミドからなる繊維をアラミド繊維
といい,高強度,高耐熱性の性質をもつ。とくに
テレフタル酸ジクロリドと,p-フェニレンジアミ
ンの縮合重合でっくられるポリーp-フェニレンテレ
フタルアミドをパラ型のアラミド繊維(ケブラー®)
H
+N-(CH)-N-C-(CHa)s-Ct,
HO
0
HN-(CH)s
という。
(2) 8.3×10', 5.9×10°個 (3) 2.9×10°
(4)向かい合った分子のアミド結合の間に水素結合
が形成されるから。
(5) アラミド繊維
n CIOC-
- COCI + n HN-
-NH。
foc-
CONH-
+ 2n HCI
参考
ケブラーは,同質量の鋼鉄線の7倍以上の強
度をもつスーパー繊維である。メタ型のアラミ
ド繊維(ノーメックス®)は,すぐれた高強度,
耐熱性のほか,柔軟性もあるので, 消防服など
に利用される。
fNO
Ooo.
-NH-CO-
解説(2) ナイロン 610 の平均分子量をMとお
foto
0.20
6.0×10'×0.10=
くと
-×8.3×10°×300
M
0H
H
ポリーm-フェニレン
N
イソフタルアミド
. M=8.3×10
ナイロン610の分子量は, 282n+18だから,
282n+18=8.3×10°
nHaN-(CHa)-NH2+nHOOC-(CH2)-COOH
n=2.94×10°
D318(1) 8(2) 3 (3) 3 (4) 5 (5) 1 (6) 3
(7) 2 (8) 7 (9) 2
O=O