とがある。クリアランスについての次の説明文を読み, 下の(1)~(3)の各問い
に答えよ。
説明文
背臓は血しょう中の比較的小さな物質の濃度を調節し, それらを老廃物とともに尿
として排出している。 各物質の排出の程度を評価することは, 腎臓の機能を評価する
うえで重要である。
皿しょう中の物質の排出を,ゴミが散乱している部屋の清掃にたとえて考える。6
登の広さの部屋に 12 kgのゴミが一様に散乱していたが,そのうちの2kgのゴミを
捨てたとする。このとき「ゴミの6分の1が減った」と考えるのが一般的であるが,こ
れを「6畳のうち1畳を完全にきれいにした(清掃した)」と考えるのが「クリアランス」
の考え方である。つまり,「完全に清掃された畳の数」で清掃の程度(清掃率)を評価す
るのである。これは,
「捨てたゴミの量」+「1畳あたりのゴミの量」=「完全に清掃された畳の数」
で求められ,一定の時間でより多くの畳を清掃できるとき,清掃率が高いといえる。
「完全に清掃された畳の数」は, 腎臓においては, 「ある成分を完全に除去した血しょ
うの体積」に相当し, これをクリアランスとよぶ。
表1は,あるヒトの血しょう中および尿中のカルシウムイオンとクレアチニンの濃
度を示している。
表 1
[3 い中 a問
濃度(mg/mL)
成分
血しょう
尿
カルシウムイオン
0.08
0.14
クレアチニン
0.01
0.75