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古本説話集16
42
こ ほんせつ わ しゅう
古本説話 集
文法 助詞2(格助詞「のJ)
テーマ 読解 登場人物の心情を読み取ろう
*ーn中マ かみ@-
今は昔、高忠といひける(越前の守。の時に、いみじく不合なりける 侍の、夜昼(まめな
幽 H型埋めよ。
昔、古 という越前国の国守の時に
* NるRSら
るが、冬なれど、
一つをなむ着たりける。雪。のいみじく降る日、この侍の清めすとて、
掃除をする
貧しい従者が、冬に確一枚だけを着
4へ
ていた
Q
物の愚きたるやうに震ふを見て、守、「歌詠め。をかしう降る雪かな」といへば、この侍、[~何
雪の降る日、国守が従者に
という題で和歌を詠むよう命じた
·従者は震える声で和歌を詠み上げた
内容…裸の体に降りかかる白
は、寒さに震えていくら振り払
つかまつ
を題にて 仕 るべきぞ」と申せば、「裸 なるよしを言ひて詠め」といふに、程もなく、震ふ声さ
さげて詠み上ぐ
っても、消えないことだよ
はだかなるわが身にかかる白雪はろちふるへども消えせざりけり
3国守は和歌をたいそう褒めて、着てい
た文を与えた。奥方も、よい香りの
と詠みければ、守、いみじく褒めて、着たりける衣を脱ぎて取らす。北の方も。あはれがりて、
する一区を与えた。
4従者が、もらった二つの女を持って
うすいろ
わき
薄色の衣。の、いみじう香ばしきを取らせたりければ、二つながら取りて、かいわぐみて、脇に一
侍所に行き、従者たちに事情を説明す
ン
R
ると、みな驚きあきれた
* の
挟みて立ち去りぬ。
侍に行きたれば、居並みたる侍ども見て、驚き怪しがりて尋ねけるに、
>型
、かくと聞きて、
ロ
あさましがりけり。
1越前の守…越前国(現在の福井県北部)の
*2椎…裏地を付けない夏用の服。
3侍…ここでは侍所(従者の詰め所)。