179 [溶融塩電解] ナトリウム、カルシウム、アルミニウムなどは,それらの塩の水溶液を電気
分解しても単体を得ることが困難である。 ① 塩化ナトリウム水溶液を, 白金電極を用いて電
気分解すると, 陰極からは気体が発生して, ナトリウムの析出は起こらない。 このような金
属の製造には,適当な化合物を高温で融解して電気分解する方法(溶融塩電解法)が用いられ
る。 例えば, ② アルミニウムは酸化アルミニウムを融解し, 炭素電極を用いて電気分解して
得ている。このとき, 電気分解の進行とともに,陰極ではアルミニウムが析出し, 陽極では
電極の炭素が消費されて二酸化炭素と一酸化炭素が発生する。
問1 下線部①の電気分解について,次の各問いに答えよ。
(1) ナトリウムの析出が起こらない理由を示せ。
(2) 陰極 陽極のそれぞれから発生する気体を混合して光を照射したところ、 爆発的に反
応した。 この反応の化学反応式を表せ。
(3) 陽極から発生する気体を臭化カリウムと反応させたところ, 赤褐色の物質が遊離し
た。 この反応の化学反応式を表せ。
問2 下線部②の溶融塩電解を行い, 162gのアルミニウムを得た。 このとき, 陽極で発生
した混合気体(二酸化炭素と一酸化炭素) の体積は、 0℃, 1.013 × 10 Paで112Lであった。
C=12, Al = 27, 電気分解の電流効率を100% として, 次の各問いに答えよ。
(1) この電気分解の陰極と陽極で起こる反応を、 それぞれ電子eを用いた反応式で表せ。
(2) この電気分解において, 流れた電気量は何Cか。
(3) 陽極の炭素は、 何g減少したか。