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81 中線定理
△ABCにおいて,辺BCの中点をMとし
AB=c, BC=2a, CA=b とおくとき
(1) cos B を d, b,表せ .
(2) AM2 を abcで表せ.
(3) AB°+AC2=2(AM2+BM2)
が成りたつことを示せ.
=AB
13
b=CA
公式を使って計算する問題」 が多いの
すが、高校の数学では図形の問題はもちろんのこと、数や式に関する
題でも「証明する問題」 が多くなります。 大学入試では証明問題がか
り増えますので、 今のうちからいやがらずに訓練を積んでいきましょ
証明問題の考え方の基本は
①
まず、条件と結論を整理して
②
#
③
条件に含まれていて,結論に含まれていないものが「消える」よ
B
a
M
a
C
条件に含まれていなくて、結論に含まれているものが「でてくる」よ
4
方針を立てて
2a
⑤
道具 (公式) を選ぶこと
精講
(2) 三角形の内部に線が1本ひいてあると, 1つの角を2度使うこ
とができます. この問題でいえば, ∠B を △ABCの内角と考え
て(1)を求め,次に △ABM の内角と考えてAM を求めることが
それにあたります。
(3) この等式を中線定理 (パップスの定理) といいます. この等式は,まず使
えるようになることが第1です。使えるようになったら自力で証明すること
を考えることも大切です.また,証明方法はこれ以外に,三平方の定理を使
う方法 (2)や数学IIで学ぶ座標を使った方法, 数学Cで学ぶベクトル
を使う方法などがあります。
が成りたつ
(三平方の定理を使う方法 )
ポイント △ABCにおいて, 辺BC の中点を M とすると
AB'+AC2=2(AM2 BM2) (中線定理)
参
A から辺BCに下ろした垂線の足Hが線分 MC 上にあ
明しておきます。
(証明)
図中の線分 AM を中線といいますが,この線分AM を 2: 1 に内分する
点Gを△ABCの重心といい(52),これから学ぶ数学ⅡI の 「図形と方程
式」, 数学Cの 「ベクトル」 「複素数平面」 でも再び登場します.
AH=h, BM=α とする. 右図のようにAから辺BC
に下ろした垂線の足Hが線分 MC上にあるとき,
COSA=Btz-s
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解答
また、
(1)△ABCに余弦定理を適用して
cos B=-
4a2+c2b2_4a2+c2-62
2.2a.c
4ac
AB²=BH2+h²=(a+MH)²+h²
AB2=2+2aMH + MH2+h2
AC2=(α-MH)+h2
AC2=α2-24MH + MH2+h2
①+② より,
B
......2
(2)△ABM に余弦定理を適用して
AM2=c2+α2-2cacosB=c'+q_4a2+c2-62_b'+c-2a°
2
(3)a=BM,6=AC,c=AB だから, 2AM = AC2+AB2-2BM2
よって AB2-
AB2+AC2=2a2+2MH2+2h2
=2BM2+2(MH+h2)
=2(BM2+AM2)
2
演習問題 81
AB=5,BC=6,CA=4 をみたす △ABCに
☆求めよ.