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光通信などに使用される光ファイバーでは、光の全反射現象などが利用されている。 その原
理を図のような円柱状媒質のモデルで考えよう。 円柱の中心軸からある半径までの部分は屈折
率(絶対屈折率nの媒質Iであり,その外側は屈折率nの媒質ⅡIである。円柱の端面は中心
軸と垂直であり、図は,円柱の中心軸を通る平面で切った断面図である。 この平面内で , 空気
中から円柱の端面の中心点Aに入射角で入ってくる光が, 屈折して円柱内に入り, その後ど
のように伝わるかを調べる。 屈折率の間には、 常に nnn (no は空気の屈折率) という
関係があるものとして, 以下の設問に答えよ。
(1) 光が媒質I と媒質ⅡIの境界面で全反射をして, 媒質Iの中だけを伝わるためには,入射角
はどのような条件を満たせばよいか。 sin0 についての不等式で示せ。
(2) 屈折率の大きさによっては,入射角をどのように選んでも光が媒質 ⅡIの中に入れないこ
とがある。 そのようなことが起こらずに, 光が媒質ⅡIの中にも入ることができるためには,
屈折率の間にどのような関係があればよいか。
(3) 屈折率の間に設問 (2)で求めた関係がある場合, 光が媒質ⅡIの中には入るが円柱の外には出
ないためには,入射角0はどのような条件を満たせばよいか。
(4) 光が点Aに入射角で入射し, 媒質Iの中を全反射しながら光ファイバーの長さの方向
に距離だけ進む時間を求めよ。 ただし, 真空中での光速度をcとする。
空気
no
0
A
no
N2
"n₁"
n2
空気
媒質 ⅡI
-媒質Ⅰ
媒質 Ⅱ