例題 10
摩擦のある斜面上での物体の運動
右図のように、傾きの角30°のあらい斜面上に,質量
14.0kgの物体を静かに置くと、物体は斜面上をすべりお
りた。斜面と物体との間の動摩擦係数を0.20 とする。
(1) 物体にはたらく力を矢印で示せ。
(2)物体にはたらく動摩擦力の大きさはいくらか。
(3) 物体の加速度の大きさはいくらか。
SP 運動方程式の立て方・解き方
① 着目する物体を決める。
(2
着目する物体にはたらく力をすべて描く。
座標軸を決める(一直線上の運動の場合,
物体が運動する向きをx軸の正の向き,
それに垂直な方向を軸とするとよい)。
④力の矢印をx軸方向, y 軸方向に分解する。
⑤ 物体が加速度運動をするときは,運動方
程式を立てる (静止または等速直線運動の
場合は力のつり合いの式を立てる)。
(4
6 すべての物体について立てた式を連立方
程式として解いて, 力や加速度を求める。
センサー 13
動摩擦力F'=μ'N は物体
の運動する向きと逆向きに
はたらく。
物理の問題には独特の表現が用いられる場合があるので
④ センサー 14
力を互いに垂直で適当な2
方向に分解して, それぞれの
方向で運動方程式を立てる。
センサー 15
運動する向きを正の向きと
して, 仮に加速度を正の向
きに書き込む。 図を見なが
ら、物体の運動方向にはた
らく力のすべてに正負をつ
けて, その合力を求め, 運
動方程式を立てる。
①②
20
y
例傾きの角のなめらかな斜面上に置
かれた質量mの物体の運動
3
mgsinoy
N
解答 (1) 物体にはたらく力は,
斜面からの垂直抗力と動摩擦
力, および重力である。 これ
らを描くと、右図のように
なる。
(2) 物体にはたらく力を,斜面
に平行な方向と斜面に垂直な
方向に分解する。 斜面に垂直
な方向の力のつり合いより,
垂直抗力の大きさをN〔N〕 と
すると,
mg
mgcoso
130°
>>46
130°
2
130°
垂直抗力
慣れよう。
mg
軸方向には力
のつり合いの式
y
ma=mgsine
⑥ 力と加速度がわかると,さらに等加
速度直線運動の式を利用して, 位置.
速度時間を求めることもできる。
47 48
N-mgcose = 0
x軸方向には運
動方程式
N
重力
1309
動摩擦
4.0×9.8N
N=4.0×9.8cos30°
F = pl
・動摩擦力の大きさをF'とすると, F' = 0.20 N
したがって, F'=0.20×4.0×9.8cos30°=6.7816≒ 6.8[N])
(3) 物体の斜面に平行な方向の運動方程式は、 斜面に沿って
向きを正として, 加速度の大きさを α 〔m/s-〕 とすると,
4.0a=4.0×9.8 sin 30° - 6.78
ゆえに, a = 3.205≒3.2 [m/s ]