244 V章 電気
発展例題40
電位差計 物理
A
図において, ABは長さ1.0m, 抵抗値40Ωの一様な太
さの抵抗線, R1, R2 はそれぞれ10Ω, 5.0Ωの抵抗である。
接点CがAC=30cmの位置にあるとき, 検流計には電流
が流れず, 電流計には 0.10Aの電流が流れた。
(1) AC間の電圧降下はいくらか。
指針 (1) 一様な太さの抵抗線では,抵
抗値はその長さに比例する。 また,電圧降下V
は,V=RIと示されるので, 抵抗値と同様に,
電圧降下も抵抗線の長さに比例する。
(2) 検流計に電流が流れないとき, R2 による電
圧降下はないので, キルヒホッフの第2法則か
ら、AC間の電圧降下は電池E2 の起電力に等
しい。 なお、図のような回路は電位差計とよば
れ, 電池の起電力の測定に利用される。
A
(3) E2 の起電力とAC間の電圧降下を比較し,
電流の向きを考える。
H
E1
E2
+
発展問題 497
R2
(2) 電池 E2 の起電力はいくらか。
(3) 接点Cを点Bの側に少し動かすと,検流計にはどちら向きの電流が流れるか。
解説
(1) AB 間の電圧降下 VAB は, オー
ムの法則 V=RI から, VAB=40×0.10 = 4.0V
AC間の電圧降下を VAC とすると,その大きさ
は抵抗線の長さに比例する。
AC
AB
R₁
0.30
1.0
-=1.2V
VAC = VABX- =4.0×
(2) E2 の起電力は Vac に等しい。 1.2V
(3) 接点CをB側に動かすと, E2 の起電力より
も電圧降下 Vac の方が大きくなる。したがっ
て、検流計には, 図において右向きの電流が流
れる。