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36 単振動 ③
図のように、 エレベーターの天井にばね定数kの軽いばねの一端
を固定し、 他端に質量mの物体を取り付けた。 ばねの長さが自然長
のときの物体の位置を原点Oとし, 鉛直下向きに軸をとり、 エレ
ベーター内の人から見た立場で, 物体の運動について考える。 重力
加速度の大きさをg とする。
〈福岡大・改〉
エレベーターが静止している場合について考える。
問1 ばねが自然長となる位置まで物体を持ち上げて静かにはなす
と、物体は静かに振動した。 振動の中心での物体の位置zとして正しいものを、 次の
①~④のうちから一つ選べ。 zo=
① mgk ②
3
2 の解答群
① mgk
mg
k
問2 物体の位置がのとき, 物体にはたらく力をk, To, πで表したものとして正しい
ものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
①k (x+エ) 2 -k(x+xo) 3k(x-xo) 4-k(x-xo)
問3 問2のつねに振動の中心に向かう力を何というか。 正しいものを次の①~④のう
ちから一つ選べ。
① 慣性力 ②垂直抗力 ③復元力 ④ 重力
m(g-a)
k
問4 このときの振動の周期は1, 振幅は 2 である。それぞれの答として正
しいものを、 次の解答群のなかから一つ選べ。
の解答群
02x√mk ② 2π√
②mg
ma=-
2mg
k
3
t₁ =
と書けるから, 小物体の運動は,
[④
k
③2π√ m
2mg
k
2π 1
Im
@ = π√ k
2
次に、エレベーターが鉛直上向きの一定の加速度で上昇している場合について考える。
この加速度の大きさをaとする。
問5 ばねが自然長となる位置まで物体を持ち上げて静かにはなすと, 物体は力のつり
あいの位置を中心として鉛直方向に単振動した。 振動の中心での物体の位置とし
て正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。 =
m(g+a)
①
②
2m(g+a)
3
k
mg
F=-kx+u'mg=-k(x-μ'mg)
小物体の加速度をaとすると, 小物体の運動方程式は,
m
4
kx=μmg よって, In=y
k
問2 小物体が座標xのとき, 小物体には水平方向にばねの弾性力と動摩擦力がはたら
いているから,
-kx
Mo
-k(エードm2) よって,a=-;
k (x-μ'mg)
m
k
_mgを中心とした角振動数 69 =
I=
k
k
mg
1 k
4 2Vm
mg
~000000000000
の単振動
となる。 よって, 小物体を静かに放してから次に速度が0になるまでの時間は単振
動の周期の半分になるから,
36 問1 ② 問2④ 問3 [③] 問4 1:②2:②
問5 ② 問6 [④] 問7 ② 問8③ 問9②
問10 ⑦
より, To=22
□
k
m(g+a)
解説 問1 物体が位置にあるとき物体には重力 mg, ばねの弾性力
kx がはたらく。 加速度をα とすると, 運動方程式は,
ma=-kr+mg
より, x+g=--
・・・・・・(i)
振動の中心では加速度 α が0となることから,物体はx=mgを中心
mg ......(ii)
とする単振動をする。よって、
am
pimg
0+
| Point 振動の中心(力のつりあいの位置) では、物体の加速度は0. 速度は最大。
問2 (ii)式より mg=kx であるから, 位置xのとき物体にはたらく力は,
f=-kx+mg=-kx+kro=-k(x-xo)
問3 復元力。 物体に, 力のつりあいの位置からの変位 (x-x。) に比例した力がつねに
中心方向にはたらくとき, 物体は単振動をする。
問4 このときの角振動数を400, 周期をTとし, (i) 式を単振動の式
a=-2(x-xo) と比べて
Wo=₁ Vm
mg
第1章 力学
問6 物体の位置がxのとき, 物体の加速度をm, k, x, x1 を用いて表したものとして
正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
=(x+x₁)
③ -(x-x₁) @ -(x-x₁)
[① =(x+x₁) ②
kl
m
[①
問7 この単振動の角振動数として正しいものを、 次の①~④のうちから一つ選べ。
V k
②
k
V m
m
③
/2k
Vm
問8 エレベーターが静止している場合と比較すると, 周期は何倍になっているか。 正
しいものを次の①~④のうちから一つ選べ。
倍
01/0
31 42
問9 振幅として正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
m(g-a)
m(g+a)
2m(g+a)
③
4
k
k
問10 振動の中心は, エレベーターが静止して
いる場合と比べて距離 アだけ
に
ずれている。アとイに入れる式と
語の組合せとして正しいものを、 次の①~⑧
のうちから一つ選べ。
a₁=-
m
k
④2m
A₁=n="
......(iii)
①
②
問10問1 問5の結果より,
X1 Xo =
3
4
⑤
(6)
1)
8
_m(g+a)_me="k
ma
k
m(g+a)
ア
mak
ma
2k
より、 α= = 1/² {x_m(g+a)}
となるから、物体はx=m(g+α) (=z) を中心とする単振動
をする。
問6 ()式で!
mota) として,
k( (x-x₁)(iv)
772
問7 振動の中心を原点とするX軸をとると,X=ェーエ」 となり, (iv)式は,
k
自然長の位置 (x=0) が振動の端点になる。
ma
k
k
ma
mak
また, 物体を自然長の位置から静かにはなすと, 自然長の位置 (x=0) が振動の端点
になり, 振幅 A, は, Aozo-
mg
k
ma
2k
(i)式はαo=(x-xa) と書ける。 振動の中心を原点としてX軸をとる
m
と表せるから 単振動の式 α = ² X と比べると, 角振動数 (1) は,
k
an √ m
問8 このときの周期をTとすると,
T=2x=2x、m=To
ma
k
k
ma
と、X=ェェ。 と表され, X=0 を中心とする単振動の式はαo=wX となる。
問5 エレベーターの中で観測する人から見ると, 物体には慣性力
maがx軸正の向き (鉛直下向き) に見かけ上はたらく。 物体の
加速度をαとして運動方程式は,
1a
ma=-kr+mg+ma
@0₁
であるから1倍である。
問9 自然 (z=0) の位置から静かに放しているから, 振幅 A, は,
m(g+a)
k
よって、振動の中心は距離だけ下にずれている。
イ
上
上
44
6000000000
下
下
Ima
エ
下
下
8
37 問1 ③ 問2 ②
問6① 問7④
問3② 問 4 ④ 問5②
問8 [③] 問9① 問10 ④
解説 問1 おもりがx=0 (振動の中心) より左にあっても右にあっても, x=0 に向
第1章力学