基本例題16
仕事
図のような, 水平となす角が30° のなめらかな斜面
AC がある。 質量 40kgの物体を斜面上でゆっくりと
AからCまで引き上げた。 重力加速度の大きさを9.8 10m、
m/s2 として,次の各問に答えよ。
(1) 物体を引き上げる力Fの大きさは何Nか。
(2) 力Fがした仕事は何Jか。
(3) 物体にはたらく重力がした仕事は何Jか。
指針 (1) 「ゆっくりと引き上げた」とは,
力がつりあったままの状態で, 物体を引き上げ
たことを意味する。 斜面に平行な方向の力のつ
りあいの式を立て, F の大きさを求める。
(2) (3) 「W=Fxcose」 を用いる。
解説 (1) 物体にはたらく力は、図のよ
うになる。斜面に平行な方向の力のつりあいか
ら,
F=mgsin30°
=40×9.8×¹
2
= 1.96×102N
2.0×102N
2
√3
mgsin30%
30°
N
・
mg
mgcos30°
30°
108
130°
基本問題 129
B
(2) 物体は,力Fの向きに 10m移動しているの
で,仕事Wは,
W = (1.96×102) ×10=1.96×10° J
第Ⅰ章
2.0×10J
(3) 重力と物体が移動する向きとのなす角は
120° である。 重力がする仕事 W' は,
W'=(40×9.8) ×10×cos120°
運動とエネルギー
=-1.96×10J
-2.0×10³ J
| 別解 (3) 重力は保存力であり,その仕
事は,重力による位置エネルギーの差から求め
られる。 点Aを高さの基準とすると, 点Cの高
さは10sin30°=5.0mであり, 仕事 W' は,
W'=0-mgh=0-40×9.8×5.0
=-1.96×103 J
-2.0×10³ J