基本例題8 力のつりあい
軽い糸の一端を天井につけ, 他端に重さ 2.0Nの小球
をつなぐ。 この小球に, ばね定数 10N/mの軽いばねの
一端を取りつけ, 他端を水平方向に静かに引いた。糸が
鉛直方向と 60°の角をなして小球が静止しているとき,
ばねの自然の長さからの伸びは何mか。
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■ 指針 小球は,重力, ばねの弾性力, 糸の
張力を受けて静止しており,それらはつりあって
いる。ばねの弾性力をF〔N〕, 糸の張力をT〔N〕と
すると, 小球が受ける力は図のように示される。
力を水平方向と鉛直方向に分解し,各方向におけ
る力のつりあいの式を立てる。これからFを求め,
フックの法則を利用してばねの伸びを求める。
■ 解説 水平方向, 鉛直方向のそれぞれの力
のつりあいから,
√3
T〔N〕
√√3.
-T [N]
30°
T
2
$1
-〔N〕
2.0N
F〔N〕
31822
→基本問題 62,63,68,69,70,71,7
水平方向 : F-
x=
60°
√√3
2
鉛直方向: -2.0=0
T
2
=
2.0N 10N/m
-T = 0 ... ①
...2
式 ② から, T 4.0Nとなり,これを式①に代入
て F を求めると,
F=2.0√3N
ばねの伸びを x 〔m〕 とすると, フックの法則
「F=kx」から,
F 2.0√3 2.0×1.73
k
10
10
=
100000-
= 0.346m
0.35m
Point 問題文の「軽い」とは、質量が無視でき
ることを意味しており、「軽い糸」 「軽いばね」
のように用いられる。