例題 174 仮説検定の考え方
★★☆☆
果実が多く採れるよう品種改良したとされる苗がある。 この苗を10本育て
たところ、そのうちの9本から確かに多くの果実が採れた。 この結果から,
品種改良は効果があったと判断してよいか。 ただし, ここでは,ある事象
が偶然には起こり得ないとする基準は, その事象が起こる確率が5%未満
げたときに回表が出る確率が下の表のようになることを用いてもよい。
の場合とする。 なお、判断には, 50%の確率で表が出るコインを10回投
n
5
6
7
8
9
10
確率 24.6% 20.5% 11.7%
4.4 %
1.0 %
0.1 %
目標の言い換え
思考プロセス
「効果があったか」を判断するとき, 「効果がなかった」という仮説を立てる。
「品種改良は
「効果がなかった」
と仮説を立てる
←
各苗で多く採れる,\
採れないの確率は
/コイン投げの
確率で考える
/果実が多く
採れたのは
偶然
それぞれ1/12(50%)
ことができる
Action» 仮説検定は、ある事象が偶然起こると仮定して求めた確率をもとに判断せよ
「品種改良は効果がなかった」, すなわち, 「この苗から果
実が多く採れたのは偶然である」と仮説を立てる。このと
き,各苗から果実が多く採れる確率は50%である。
この仮説のもとで,この苗10本を育てたときに9本以上
の苗で果実が多く採れる確率は
1.0+0.1 = 1.1(%)
5%未満の確率であるから,これは偶然に起こり得ない事
象であるといえる。
よっ(,仮説は否定された。
したがって、品種改良は効果があったと判断される。
Point... 仮説検定で考える確率
コインを投げたときの表
裏がそれぞれ出る確率 (50
%)と同様に考えること
ができる。
ちょうど9本で果実が
多く採れる確率を考える
のではない。 Point 参照。
品種改良した苗の10本中9本で多くの果実が採れたとき,この結果が偶然に得られる
確率は 1.0 %であるが,この確率だけを考えて「1.0%
に効果がなかった』とする仮説