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[手順2-2] 矢の発射地点である点Aと的の
上部である点Cを結ぶ放物線の式を求める。
[手順2] より,点Aと点Cを結ぶ放物線の
式をqとすると,q:y=«2+(-1:
-120a +
*+1と表すことができる。
[手順 3] 肘木の高さを考慮した放物線の式
を求める。
[手順 2] で求めた2つの放物線は,通る点
を2点しか定めていない放物線であるため,
意に定まらない。そこで,肘木の高さについて,
次のような条件を設定する。
*[手順2] において,矢の発射地点を1mと
していることを踏まえると,肘木の高さま
では,約5倍の高さである。これより,肘
木の高さを5mとする(図9)。つまり,矢
の最高到達点を5mとし,5mを超えて矢
が飛んでしまうと,肘木に当たってしまう
ことになる。よって,肘木をy=5の直線で
表す。
図6 木版画『三十三間堂通し矢図』
(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/379127)
放物線の式を求めるために,以下のように条
件設定をおこなう。
* 地面から縁側までの高さは考慮しないもの
とする。
*図6より,座って弓を引いている人物が確
認できる。この人物は,縁側から,弓の長
さの約半分の長さの高さから矢を発射して
いることが確認できる。全日本号道連盟は
弓の長さの規準を 221 cm としていること
から,矢の発射地点は縁側から1mの高さ
と仮定することができる。この発射地点を
A (0, 1)とする。
縁側から高さ2mの地点が,的の中心にな
るように,縁側と垂直に的を設置する。な
お,的の直径は2mとする。
的の下部をB(120, 1)とする。また,的の
上部をC(120,3)とする。
以上の条件設定と図をもとに,座標平面上に
表すと以下のようになる(図 7)。
y
『三十三間堂通し矢図』の
矢の発射地点の拡大
(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/379127)
図8
A
B
図7 矢の発射地点と的の数学的モデル
[手順2-1] 矢の発射地点である点Aと的の
下部である点Bを結ぶ放物線の式を求める。
[手順2] より,点Aと点Bを結ぶ放物線の
式をpとすると,p:y=« 2- 120g +1と表
すことができる。
120m.
図9 肘木の高さを考慮したモデル
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