月理法は目が生じたら
17 無理数の証明, 背理法
m を整数とし,2つの命題 (P),(Q)について考える.
(P)が3の倍数ならば, mは3の倍数である
(Q)/3は無理数である
(1) 命題 (P)の対偶を述べよ.
(3) 命題 (Q)を証明せよ .
解答
(1) 命題 (P) の対偶は,
(2) 命題 (P)を証明せよ.
(西南学院大)
mが3の倍数でないならば,mは3の倍数でない
(2) 命題 (P)の対偶が真であることを示す.
mが3の倍数でないとき,整数kを用いて, m=3k+1,3k+2とおける.
(ア)m=3k+1のとき
m²=(3k+1)=27k3+27k+9k+1=3(9k+9k2+3k)+1
となるので,
は3の倍数でない.
(イ)m=3k+2のとき
m3=(3k+2)3=27k3+54k²+36k+8=3(9k+ 18k +12k+2+2
となるので,'は3の倍数でない.
(ア)(イ)より,命題 「m が3の倍数でないならば,mは3の倍数でない」は真で
ある.
したがって,命題 (P) の対偶が真であるから,命題 (P)も真である.すなわち,
命題(P)が成り立つことが示された.
<補足: 合同式を使うと, (ア)(イ)は次のようになる >
(ア)≡1(mod3) のとき, m²≡1(mod3)
(イ)=2(mod3) のとき, m²=23=8=2(mod3)
(3) 3/3 が無理数であることを,背理法を用いて証明する.
33が無理数ではない,すなわち,
33 が有理数である
無理数であることの証明は,有理数であると仮定して、
背理法によって示すことが一般的である
と仮定すると,
33=127 (p, gは互いに素な自然数)
①pg を 「互いに素」として
おくことを忘れない!
とおける. ①より3pg となり,これを3乗すると,
3p3=g3
·②
②の左辺は3の倍数であるから, 右辺のも3の倍数である. よって, 命題 (P)
から,
gは3の倍数