例題 倍数であることの証明 (背理法を利用)
82
解答
整数a,b,cがa+b2 = c' を満たすとき, a, のうち少なくとも1
つは偶数であることを証明せよ。
すべての整数nはn=2k, n=2k+1 (kは整数) のどちらかの形で表される。
n=2k のとき
n²=(2k)2=4k²
n=2k+1 のときn²=(2k+1)=4k²+4k+1=4(k²+k)+1
よって, n²を4で割ったときの余りは, 0か1である。
ゆえに, a,bがともに偶数でないと仮定すると,d2, 62 を4で割った余りは
1であるから a2+62 を4で割った余りは 2
cを4で割った余りは0か1
したがって α' +62 c2 となり矛盾する。
よって, a, bのうち少なくとも1つは偶数である。
参考例題 82 の証明は,命題が成り立たないと仮定して矛盾を導くことにより,もと
の命題が真であると結論する方法を用いている。
このような証明方法を 背理法 といい, 数学Ⅰ 「集合と命題」で学習する。