第1部 基礎力定着
12 律令制下の駅制 播磨国の小犬丸遺跡は、古代の官道跡が見つかるとともに、初めて駅家の構造
が発掘調査で分かった遺跡である。 次の表と資料を参考に下の問い (1) (2)に答えよ。 [18 試行調査〕
表 小犬丸遺跡の変遷
湧水地点があり、谷間の一部で水田耕作が行われていた。
7世紀以前
8世紀前半
bid.
山のふもとに7m幅の道路が存在する。 (7mは発見できた道幅)
道路は幅を維持したまま使用されている。
8世紀後半~10世紀頃
11~12世紀
mar
道路部は埋まり、新たに掘立柱建物が建てられる。
掘立柱建物が姿を消し, 水田となる。
13世紀~
(『小犬丸遺跡ⅡI』 により作成)
いる
資料 806年に出された勅
すおう
ふしゅうふんへき
勅すらく, 「備後・ 安芸・周防・長門等の国の駅館は、もと蕃客 (注1) に備えて, 瓦葺粉壁 (注2) と
ころころ
た
たよ
す。 頃年,百姓疲弊し、 修造すること堪え難し。 あるいは蕃客入朝するに, 便りに海路に従う。そ
65 STARLIGESOGT
の破損は、農閑に修理せよ。
( 『日本後紀』)
‥.」。
ODEN
(注1) 蕃客 外国使節
(注2)瓦葺粉壁 : 瓦葺き屋根で白壁であること。 瓦を葺かない掘立柱の平屋建物や竪穴住居が一般的な中
で、周囲から目立つ存在であった。
(1) 表と資料が表している官道の名称を、次の①~④のうちから一つ選べ。
① 山陽道
②山陰道
③ 東海道
④ 中山道
[①]
REX di
(2) 表と資料から古代の官道制度が衰退した背景として考えられる次の文XYについて, その正誤の
1500
23960
組合せとして最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。
X 官道制度の衰退の背景には、百姓を雑などの労役に動員する律令制の変化がある。
Y官道制度の衰退の背景には、外国使節の交通路の転換がある。天井吉が個
① X 正 Y E
② X 正 Y誤
③ X 誤 Y E
④ X 誤 Y誤
第2章一