*ー二物う
(次の文章は、
西行が自らの体験を記すという体裁で書かれている。)
をりふし
Dや形
れSnSnJやうにん
かた
は づき
過ぎぬる八月のはじめつ方、西山の西住 上人とともなひて"難波のわたりを過ぎ侍りしに、折節
日ことにうららかにて、風も立ち侍らね陰、釣り症の波に浮かびて、木の葉のごとくに見ゆ。「いか
マ
に多くの魚を釣る,らむ。あら無残や。いざや、この舟に乗りて、かの魚のために念仏して、後世と
B
「舟に乗せ給へ」と
はむ」といへば、「げにげに、しかるべし」とて、遠浅はるかに歩みよりて、
いふに、「これは釣り舟にて、ほかへ行くべきにあらず。乗り給ひて。何の用か侍らん」といふ。
LO
ながちにいひて乗り侍りぬ。さて、魚のためにひそかに念仏して、後世をとぶらひ侍りき。ここかし
この浦に寄りて、釣りするを見侍りしかば、なにとなく、
なにはびと
難波人いかなるえにか朽ちはてん
と。うちすさび侍るを、この西住上人、付けんとて 顔づえをつきて、
ロー
うめきけるに、釣りす
おきな
る翁のことのほかに年たけたるが、とりあへず、
あふことなみにみをつくしつつ
と付けたるに、めづらかにおぼえて、舟にかしこくしひて乗り侍りて、かかるおほえぬこと聞きぬる
嬉しさよと思ふこと、たとへんかたなし。この翁、いまはひたすら釣りをやめて、「
れ侍り。翁の句のおもしろさに、また思ひよりしかば、
|に心を入
舟のうち波の下にぞ老いにける一
J
いひたるに、また,うち案じて、
w
わざもいとま無の世や