古七のつ初未宇
6 の
びもよ
比の比用
401」
児のそら寝
これも 今は 昔、比叡の山に 児 ありけり。僧たち、よひの つれ
出コ に児()いた。
e
の
僧たち(が)、宵の
づれに、「いざ、かいもちひ せむ」と 言ひけるを、この 児、心よせ
作ろう。と
T言ったのを、
この児(は)、期待して
「さお
ばたもち(を)
に聞きけり。さりとて、しいださむを 待ちて寝ざらむも、わろかり
そうかといって、作りあげるのを 待って 寝ないでいたらそれも、きっとみっとも
国Sた。
なむと 思ひて、かたかたに 寄りて、寝たる よしにて、いでくる
寄って、
1
ないだろうと思って、
(部屋の)片隅に
寝ている
ふりで、(ぼたもちが)できあが
を 待ちけるに、すでに しいだしたる さまにて、ひしめきあひたり。n
様子で、
るのを待っていたところ、早くも
作りあげた
(僧たちが)集まって騒いでいる。
>S
この児、さだめて おどろかさむずらむと 待ちゐたるに、僧の、
児(が)、きっと(僧たちが自分を)起こすだろうと
こS
待っていたところ、
倍が、
もの 申しさぶらはむ。おどろかせたまへ」と言ふを、うれし
mを 覚ましなさいませ)
「のしp-°
回うのを、(児は)うれし
一度に いらへむも、待ちけるかともぞ
答えたらそれも、(起こされるのを)待っていたかと
U くども、ただ
ただ
1P
思ふとて、いま ひとこゑ 呼ばれて いらへむと、念じて 寝たる
(僧たちが)思うといけないと考え、もう一度 呼ばれて(から)答えようと、
我慢して
Oに
ほどに、「や、な 起こしたてまつりそ。 をさなき 人は 寝入りたまひ
「おい、お起こし申し上げるな。
人は
寝入りなさってし
にけり』と 言ふ こゑの しければ、あな わびしと 思ひて、いま
まった。
6-
(僧たちの)言う声がしたので、
J
(昭は)SS
困ったと
6。
一度 起こせかしと 思ひ寝に聞けば、ひしひしと ただ 食ひに
1度
起こしてくれよと
思いながら寝て 聞いていると、むしゃむしゃと
ひたすら(ぼたもち
食ふ 音のしければ、ずちなくて、無期の のちに、「えい」と いらへ
を)食べる 音がしたので、
リ
どうしようもなくて、長時間たった後に、「はい」と
たりければ、僧たち わらふ こと かぎりなし。
* D4る
ものだから
僧たち(が)笑う
『宇治拾遺物語』
こと(は)はなはだしい。
学習の手引き
現代の仮名遣いと違う語に注意しながら、繰り返し音読しよう
2児が心の中で思っている部分を指摘)