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はしたなし
ク活用
「はした
で、
どっちつかず
で中途半端な様子を表します。 「なし」
は「いけなし」や次ページの「しどけ
なし」の「なし」と同じで、「無し」で
はなく状態を表します。
中途半端な状態から生じる、かっこう
のつかないきまり悪さ、つまり2の意味
がこの単語の核心です。そこから、③や
4の意味も派生しました。
現役生には
負けないぞ!!
予備校生。
高校生でもなく
大学生でもな
はしたなき身
中途半
どっちつかずで
端
ち着かない
。
のわき
1中途半端だどっちつかずだ
2(どっちつかずでいたたまれない・
きまり悪い
③(いたたまれないほど)そっけない・
愛想がない
④はなはだしい・激しい
1 《北の方は泣きながら子どもたちに言った。
関はしたなむ(動詞)
・・恥ずかしい思い
をさせる
(父上は)人の心とどめたまふべくもあらず、はしたなうてこそ源は
め (源氏・真木柱)
(父上は)人の気持ちをとどめなさりそうもなく(=かまってくだ
さりそうもなく)、(男の子たちは)〔中途半端な状態で(この世
を)漂うことになるだろう。
たまら
夫が玉鬘(光源氏の養女)にうつつを抜かし、家族を顧みないた
め、北の方は実家に帰ることを決意したのです。
②げにいとあはれなりなど聞きながら、涙のつといで来ぬ、いとはした
なし。(枕・はしたなき物)
なるほど実に気の毒だなどと思って話を聞きながら、涙がすぐ
に出て来ないのは、ほんとうに〔きまり悪い〕。
たま
③心許さざらむ人のためには、はしたなくもてなし給ひつべくこそもの
し給ふめるを、(源氏・宿木)
(宮の御方は)心を許さない人に対しては、〔そっけなく〕振る舞
いなさるにちがいなくていらっしゃるようだが(=振る舞うにちが
いない方でいらっしゃるようだが)、
「野分はしたなう吹いて、(平家・巻六)
台風が〔激しく〕吹いて、
MENER AU0536
ただよ