現代語訳
けもの
たまたま狂気にとりつかれて、異類の獣となってしまった。
のが
第一句
第二句
災いは次から次に起こり、逃れることはできない。
いったい
かな
第三句
今、人食い虎となった私に、一体誰が敵うであろうか。
ひょうばん
第四句 昔、私は君と共に才知にあふれ、よい評判を得ていた。
かげ
第五句 それが私は雑草の陰で獣となり、
すで
りっぱ
第六句
君は既に出世して立派になった。
たに
第七句
この夕、 渓や山を照らす名月に向かい、
ぎん
第八句
昔のように声を長く引き、詩を吟じようとしても(獣の悲しさであろうか
ほうこう
思いは詩にならず)、ただほえ叫ぶ咆哮となるばかりである。
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