「多数の失業者は無慈悲な生一
華 存の問題に直面している。そし
てそれと同じくらいの多数の人」
々が、少額の収入で苦しんでい
。1930年代初めの大忍」
「 H
慌の時代、米大統領ルーズベル
トが発した言葉である。事態を打開すべ
く始めたのがニューディール政策だ▼失一
業者に仕事を与えるため、ダム開発など
公共事業を進めた。収入のほうは合衆国
としての最低賃金を定めることにした。
製造業の時間あたり収入は3割伸びたと一
いう (藤本武著『最低賃金制』)▼欧米
の国々では2世紀前半、最低賃金の制度」
が導入された。 しかし長い間、経済学者
たちからは批判されてばかりだった。 最
低賃金が上がれば企業は人を雇う意欲を
失い、雇用そのものが減るとの主張だっ
ル経済学賞に選ばれたデビッド。カード
氏である。1990年代に米国の二つの
州でファストフード店を調査し、最低賃
金の上昇が必ずしも雇用の減少につなが一
らないとの結果を得た▼最初は人々に受
け入れられず、数字の操作も疑われたほ
どだったと英BBCに語っている。やが
て多くの研究が後に続き、最低賃金への一
批判は和らいでいった。米国のいくつか
の州ではここ数年、時給を6'w(170
0円)まで上げ、働く人に報いる動きが
出ている。その水準まではいかないが、
日本でも引き上げが続いてきた▼ノーベ
ル平和賞は言論の危機を、物理学賞は"
気候の危機を映し出した。そして経済 "
学賞は所得格差の問題に光をあてた。
たすそれに挑戦したのが、今年のノーベ