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蒸気密度の測定によりエタノールの分子量を求める実験を行った。
蒸気密度の測定には,図のような内容積約100ml の液体の比重測
定用の容器(以下比重びんと呼ぶ) を用いた。 乾燥した比重びんの質
量は, 44.114 g であった。 次に比重びんにエタノール約1mlを入
れ, 92℃の湯浴に浸し、 完全に液体が蒸発し終わったのち、比重
びんを冷却し, ひょう量したら44251gであった。
一方, 25℃で比重びんに蒸留水を満たしたところ、 全質量は
147.52gになった。 なお, 測定中の大気圧は0.92×105 Paであった。
(1) 蒸留水の室温における密度を1.00g/cm² とし、エタノールの蒸気圧による浮力の
効果を無視して、エタノールの分子量を計算せよ。
ただし、 気体定数は8.3×10L.Pa/(K・mol) とする。
(2) 25℃におけるエタノールの蒸気圧は0.074×105 Paで, 25℃ 0.92×105 Pa にお
ける空気の密度は 0.0011g/mlである。 92℃で比重びんを満たした蒸気の質量が小
さいので, 25℃に冷却してひょう量する際の、エタノール蒸気が追い出した空気の
質量に相当する浮力の補正が無視できなくなる。 この補正を行うと分子量の値はいく
らになるか。
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