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14 大腸菌の増殖に関する次の文章を読み,下の問いに答えよ。
こクトースを栄養源とする最少培地で培養すると,それまで細胞内で合成されていなかったラクトース分解酵素が
へ成され、ラクトースをグルコースとガラクトースに分解して利用し増殖する。培地にラクトースがない場合,ラグ
ース分解酵素の遺伝子(z*)は転写されない。これは(z*)の転写開始を調節する DNA 上のオペレーター遺伝子領域
o+)に調節遺伝子(i*)の産物であるリプレッサーが結合して, 遺伝子(z*)の転写の開始が抑えられているためである。
レーろが培地にラクトースが加えられると,リプレッサーにラクトースが結合して, リプレッサーがオペレーターに
結合できなくなる。そのため,遺伝子(z")のMRNA への転写が開始され, ラクトース分解酵素が合成される。これは
ラクトースに(z*)の転写開始を誘導する働きがあるからと考えられる。
図1は,グリセリンを栄養源とする最少培地で培養中の大腸菌に,一時的にラク
B
トースを加えた場合のラクトース分解酵素の合成量の変化を示す。この場合,グリ
セリンは,ラクトース分解酵素の合成に影響を与えない。A 点でラクトースを加え
ると,ラクトース分解酵素の合成量は増加し, B 点でラクトースを除去すると合成
量は急激に減少した。B 点でラクトースを除去せずに,さらに適当な量のグルコー
今内されてる
0 10
ラクトースを加えてからの時間(分]
図1
-10
20
30
40
スを培地に加えても,ラクトース分解酵素の合成量は同様に急激に減少してしまう。
(1) 図1と同じ条件で細胞あたりのラクトース分解酵素の量を調べると,どのよう
になるか。図2の曲線(ア)~(エ)より選べ。
(ア)
B
(イ)
(2) グルコースとラクトースを混合したものを栄養源とする最少培地で大腸菌を培
(ウ)
養した場合,培地に含まれるグルコースとラクトースの量はどのように変化する
と考えられるか,説明せよ。
A
(3) ラクトースの代謝に関する遺伝子には, 正常な機能を失った突然変異がある。
いま,野生型の三つの遺伝子,it, o*, z*に対する変異遺伝子をそれぞれi, o°,
-10 0 10 20 30 40
ラクトースを加えてからの時間 [分]
図2
zとした場合,ラクトースの有無にかかわらずラクトース分解酵素が合成される
三つの遺伝子の組合せを, 次の①~③から三つ選べ。
2 ito*z
③ ito°z+
の ito°z
0 ito*z*
⑥iotz'
のio°z*
iro°z
iotz*
胞あたりのラクトース
分解酵素の量)
十ラクトース分解