II
イギリスでは、1940年代からある鳥類Xの個体数の減少が問題となっていた。その原
因として、1940年代前半より農薬として散布されはじめた殺虫剤に含まれていた有機塩
素化合物が(エ)生物濃縮により鳥類が卵殻を形成するときのカルシウム代謝に影響を与え,
卵殻の性質を変化させるということが考えられた。 図2は, イギリスにおける鳥類Xの
卵の採取年と卵殻指数との関係を示したものである。 なお, 卵殻指数は次の式で算出され
る。
卵殻指数=
卵殻重量 (mg).
卵長 (mm) × 卵幅(mm)
卵殻指数
2.0g
1.8F
1.6
1.4-
1.2
1930 1940 1950 1960 1970
卵の採取年
図 2
また、図3は、1980年代から1970年代にかけてのイギリスにおいて、同じ地域に生
息する鳥類 A~Eの卵に含まれる有機塩素化合物の濃度と卵殻指数減少率との関係を示
したものである。 なお, 卵殻指数減少率は, 有機塩素化合物が農薬として使用される前の
調査による卵殻指数Y と, 農薬として使用された後の卵殻指数 Zを用いた次の式で算出
される。
卵殻指数減少率 (%)
卵殻指数 Y卵殻指数 Z
卵殻指数 Y
×100
X
5
卵殻指数減少率16
1
234
卵 14
20
18
16
B
厚く
厚く
12
薄く
10
8
0.1
X
問5 1960年代のイギリスにおける鳥類Xの卵は, 1930年代にくらべてどのように変
化したと考えられるか。 次の考察中の空欄 B 1 C に入る語句の組合せと
して最も適当なものを、 下の1~4のうちから一つ選び、番号で答えよ。
鳥類 A
● 鳥類 B
考察
図2に示されている卵殻指数の変化と、文章中の記述から判断すると, 卵殻が
B なり、抱卵中に卵が割れ C なったと考えられる。
●鳥類D
●鳥類C
C
にくく
やすく
にくく
やすく
1.
10
100
卵に含まれる有機塩素化合物の濃度(相対値)
図3
●鳥類E
鳥類Xが図3中に示されている頭の良