通じた後に予測されるS" の濃度 [S2] (3)式を満たせば沈殿が生じ,満たさ
なければ沈殿は生じない。
HS 2H+ + S2-
[H+][S2-]
K =
[H2S]
(1)
(2)
(3)
[M2+][S2-] > Ksp
(2)式および(3) 式から [S2-] を消去すると(4)式、さらに(5)式となるため、水素イ
オン濃度[H+]が(5)式を満たすときに硫化物の沈殿が生じることになる。(5)式
は,水溶液のpHが金属硫化物の沈殿生成に関係することを示している。
K [H2S]
[M2+]
[H+] 2
> Ksp
K[M2+1
*] [H2S]
[H+] <
Ksp
(4)
(5)
いま,2価の金属イオン M^2+ と M2+ を考える。 (2)式のKを
1.2×10-2 (mol/L), 硫化水素を十分に通じたときの水溶液中の硫化水素の
濃度[HS]を 1.0 × 10mol/L, M^2+とM2+の濃度をともに 1.0 × 10-3 mol/L,
硫化物 MSとMBS の溶解度積 Ksp をそれぞれ1.2 × 10-23 (mol/L)2,
1.2×10-13 (mol/L)2 とする。
このとき,MAが硫化物として沈殿しないpHの
あるが,Mg2+が硫化物として沈殿しないpHの
したがって, 両方のイオンを含む水溶液のpHを
オ
は カ
で
オ
は
キ
である。
カ
から
キ
の間
に調整して,同様の条件下で硫化水素を通じると,
て沈殿することになる。
ク
だけが硫化物とし
金属硫化物は,それぞれ固有の溶解度積 Ks をもつため、二種類の金属イオン
が存在するときに,このようにpH を調整することで, 一方の金属イオンだけを
沈殿させることができる。
化学 4 -