例題 12 斜面上における静止摩擦力
水平となす角が30°の粗い斜面上に質量10kgの物体を置き、斜面に沿っ
て上向きに 25Nの力で引くと、物体は静止したままであった。このとき,
物体が斜面から受ける静止摩擦力の大きさは何Nか。 ただし,重力加速
ICE
度の大きさを 9.8m/s2 とする。
P10kg
指針 静止摩擦力は,斜面に平行な方向にはたらく。 その方向における
力のつりあいを考える。
解 斜面に平行な方向における重力の成分は,斜面下向きで,
10×9.8×sin30°=49Nであり,引く力は, 斜面上向きに25Nである。
したがって,物体は斜面下向きにすべり出そうとするので,静止摩擦力
は,それを妨げる斜面上向きにはたらく。 静止摩擦力の大きさをF〔N〕
とすると,斜面に平行な方向における力のつりあいから,
49-25-F=0 F=24N
類題12 水平となす角が30° の粗い斜面上に質量 2.5kgの物体を置き, 斜
面に沿って上向きに大きさ T〔N〕 の力で引く。 上向きにすべり始める
直前のとき, Tの大きさは何Nか。 ただし, 物体と斜面との間の静止
摩擦係数を 0.40, 重力加速度の大きさを9.8m/s2 とする。
¥ 30°
垂直抗力
49 N
30°
25N
2.5kg
重力 98N
130°
25N
) 30°
[