運動方程式
質量mの物体に力が働くと,物体には加速度 d が生じる。この
関係を表す運動方程式ma=こそ力学の根幹をなすものだ。 それは運動
の第2法則(物体の加速度は力に比例し,質量に反比例する) を式で表してい
る。まずは1つ1つの文字の意味を詳しく確認しておこう。
m
a
→F ma = F
注目物体の質量
[kg]
地面に対する加速度
IV 運動の法則
[m/s2]
注目物体が受けている
すべての合力 [N]
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注目物体はまわりの物体から力を受け, 止まっていたり、動いたりする。
だから, 必ず “受けている力”だけを考えることになる。 力はすべて右辺に
集めておく。
Ativi
ちょっと一言 上式から [N] = 〔kg・m/s2] と分かる。
の向きは向き, つまり合力の向きに加速度が生じていることにも
注意を払っておこう。 ほとんどの人が上のベクトル式を見ても通り過ぎてし
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まっているが,とても大切な点だ。
Miss 運動方向(つまり速度の向き)には力が働いていると思っていないかい?
偉大なアリストテレスでさえ誤ったのだからしょうがないが、力は速度の向
きじゃなくて、加速度の向きと一致しているんだ。 直線運動ではわかりにく
いが,曲線運動, たとえば放物運動になると, その差が明確になる。重力が
鉛直下向きだから,重力加速度gも下向きになっている。でも速度の向きは
まったく別。
静止の場合は力のつり合い式をつくった。静止は d = 0 だから運動方程
式より = (⑩)
つまり力はつり合っている。 力のつり合いは
運動方程式に含まれている
It hall