さらに、2人の高校生 A, B がサッカーについて物理の言葉で語ろうとしている。そのようす
に聞き耳を立ててみよう。
A : ボールをけるのは,自らの足とボールを衝突させる行為にほかならないと思うが、 どうだ。
B : 同感だ。 例えば,静止したボールをけるときのようすは, (黒板に図2をかきながら) この
ように, 水平面上で静止しているボールに振り子のおもりを水平向きに衝突させるときと
似ている。このとき, 衝突の前後で水平方向の運動量は保存されるから…
図2
A:なるほど,運動量保存則が使えるとなると, 足の質量を測定することができそうだな。
B:ボールの質量をmとしよう。 振り子のおもりは初め水平面から高さんの位置にあり,お
もりは地面に触れずにボールに衝突したものとする。
図の左向きを正の向きとして,衝突直後のボールとおもりの速度をそれぞれ0, V, 重力
加速度の大きさをgとすれば,(黒板で計算をして) 振り子のおもりの質量はこのような
式で表される。