つたろ.
の代
てま
き
28
2
・自然長・
橋元流で
解く!
*
m
第9講 単振動
図9-29
粗くて水平な床面上に, ばね定数kのばねが,一端を壁に固定して
長からaだけ引き伸ばして、静かに手をはなしたところ、 小物体はば
置かれている。 ばねの他端に質量mの小物体をつなぎ, ばねを自然
ねに引かれて床面上をすべり ある地点で一瞬静止したのち、再び逆
向きに動きはじめた。
はじめから一瞬静止するまでの間に小物体が動いた距離はいくらか。
また,その間に要した時間はいくらか。
ただし,重力加速度の大きさをg 小物体と床面との間の動摩擦係
数をμとする。
201
準備
この問題では,小物体に床からの動摩擦力が働きま
すから,力学的エネルギー保存則は使えないはずです。にもか
かわらず, 小物体が動きはじめてから次に静止するまでの間に
起こることは,摩擦のないふつうの単振動と同じなのです。
なぜそのようなことが起こるのかといえば、この小物体に働く床面から
の動摩擦力の大きさは,床からの垂直抗力をNとして
f = μN = μmg
で一定だからです。 たとえば,μ = 1だとすると, この摩擦力は重力mg
と同じ大きさですから、重力のもとでの鉛直方向の単振動とまったく同じ
になります。
不思議なように見えますが、謎の種を明かせば、一瞬静止した小物体が
向きを変えて動きはじめたとき 小物体に働く動摩擦力は大きさこそμmg
で同じですが、その向きは逆向き(左向き)になります。ですから、最初
の単振動とは別の単振動に変わっているわけです(振動の中心が移動しま