-
216
第8章 データの分析
基礎問
133 計算の工夫
次のデータは5人のハンドボール投げの記録である.
28,α, 24, b,c (単位はm)
このデータでは、次の4つの性質が成りたっている.
(ア) 24 <a<28<b <c
(イ) 第3四分位数は33m
(ウ) 平均値は 29m
(エ) 分散は14_
このとき, a, b, cの値を求めよ.
精講
文字が3つありますので,第3四分位数,平均値, 分散の定義に従
って等式を3つつくり, 連立方程式を解けばよいだけですが,数値
が大きいので,計算まちがいが心配です.
そこで, 平均値がわかっているので,すべてのデータから平均値 29mを引
いた新しいデータを考えることで, 計算量を減らす工夫を学びます.
解答
注
(エ)より (24-29)+(a-29)+(28-29)+(b-29)+(c-=14・5
a+b'+c^2=44...③
① ②より, a'=-2, c'=8-6'
③に代入して, 4+6"+(8-6')²=44
26"-166'+64-40=0
b2-86'+12=0
(62)(66) 0
:. 6'=2 または 6
B'=2のとき,c=6
6 のとき, c'=2であるが,
b<c より, B'<c' だから,このときは不適.
よって, '=2, c'=6
以上のことより, a=27, 6=31,c=35
217
もし、元のデータのまま解答をつくると、 でき上がる連立方程式は
|b+c=66,a+b+c=93, (a-29)2+(6-29)+(c-29)²=44 となります。
この時点で,α'=α-29,6'=6-29, c'=c-29 とおきかえてもかまいま
せん.
与えられたデータから29m をひいた数を
新しいデータとして考える.
すなわち, 小さい順に,
-5,α-29, -1, 6-29, c-29
を考える.
33
c-29
a'=a-29,b'=8-29, c'=c-29 とおく .
b+c
(イ)より, -=33 だから, b+c=66
2
に 6' + c' = 8 ...... ①
(ウ)より, 24+α+28+b+c=29・5
. a+b+c=29・5-52
よって,α'+B'+c' +29・3=29・5-52
:
a'+b'+c'=29・2-52
∴. a'+b'+c'=6 ...... ②
視力検査の数値のように, 小数点以下を含むデータのときの工夫の
参考
仕方は, 137 で学びます.
演習問題 133
次のデータは5人の体重測定の結果である。
57, 64, a, b c (単位はkg)
このデータに対して,次の4つの性質が成りたっている。
(ア) 57 <a<b<64 <c
(イ)データの範囲は10kg
(ウ) データの平均値は 62kg
(エ) データの分散は 11.6
このとき, a,b,cの値を求めよ.
第8章