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第4章 データの分析
重要例題15)データの修正による変化
40人の生徒に,国語と数学の試験を行ったところ, 次のような結果であった。
平均点:国語 45点, 数学52点
集計後,A, B, C, Dの4人の生徒について, 次のような得点の修正があった。
なお,得点は(国語の得点,数学の得点)のように表している。
A:(30, 52)
C:(45, 72)
このとき,次のものは修正前と比べてどのように変わったかを,下の0~②の
うちから一つ選べ。 ただし, 同じものを繰り返し選んでもよい。
国語の得点の平均点はア
国語と数学の得点の共分散は
O 変わらない
国語と数学の相関係数:-0.13
→の右に示したも
のが修正後の得点
(62, 52)
(33, 52)
(45, 70)
B:(65, 52)
D:(45, 22)→(45, 24)
]。国語の得点の標準偏差はイ。
国語と数学の得点の相関係数は
2 減少する
エ
ウ
O
0 増加する
POINT!
次の値の変化を考える
平均値:データの総和
共分散:2つの変量の偏差の積の和
分散·標準偏差:(偏差)の和
共分散
2つの変量の標準偏差の積
相関係数:
(分子の正負に注意)
解答 国語の得点の変更があったのは AとBで, Aが
(+3点, Bが-3点であるから,得点の総和は変わらない。
よって,平均点は変わらない。ゆえに アO
国語の平均点は変わらないが, A, Bの2人とも, 得点が平均
点に近づく。よって, (偏差)°の和は減少する。したがって,
標準偏差は減少する。 ゆえに イ の
A, B は数学の得点が平均点に等しく, C, D は国語の得点が(国語の偏差)×(数学の偏
平均点に等しいから,この4人の国語と数学の得点の偏差の
積の和は,修正前も修正後も0 で変わらない。 よって,共分
散は変わらない。ゆえに ウ①
数学の得点の標準偏差は, 国語の場合と同様, 減少する。 ま
た,相関係数は負の値であるから, 共分散は負の値である。
共分散は負の値で変わらず, 国語と数学の得点の標準偏差はや共分散が負であることに
ともに減少するから, 相関係数は減少する。ゆえに エ@
-POINT!
30 33
45
62 65
平均点
修正後のデータが平均値に
近づく。→偏差が小さくな
る。
差)において, A, Bの2
人は(数学の偏差)=D0
C, Dの2人は
(国語の偏差)=0
標準偏差は正の値
POINT!
注意。
練習 15 30個のデータ (X, Y) があり,それぞれの平均値 X, Y はX=12, ア=20
XとYの相関係数は 0.75 であるとする。A, B, Cのデータを次のように修正した。
A:(9, 20)→(10, 20), B: (12, 20)→(11, 16), C:(12, 15)→(12, 19)