集 前
示
(1) 「夫」のここでの読みを記せ
(2) 歌人の心のさまよいを次のように想像してみた。 空欄を歌中の語で埋めよ。 開
平安時代より続く和歌の家に生まれながら、太平洋戦争中に唯一の理解者である母を亡
くした作者は、爵位を剥奪され、貴族院議員の地位も追われた老父と戦後を生きねばなら
なかった。生活能力のない父の代わりに懸命に働いて一家を支え、気付けば(A2字)の
まま人生を折り返していた。 (B2字)とは、人並みに結婚していたら得られたかもしれぬ
束の間の幸せであり、ついぞ出会うことのなかった夫たるべき人の (C2字)を想起する。
敗戦はこの国に民主主義をもたらしたが、一方で彼女から家を奪い、青春を奪い、茨の道
に放り出した。思えば南洋に散った若者も、その帰還を待ち続けた少女たちも、戦争によ
して運命を狂わされたのである。 断ち切られた無数の人生の切れ端を拾いつなぎ合わせる
時、幻影は色濃くその形を現す。
C 墓碑
おとめ
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