-
175. 酸化還元反応式のつくり方 硫酸酸性の過マンガン酸カリウム KMnO4水溶液に、
硫酸鉄(ⅡI)水溶液を加えると, マンガン(II)イオン Mn2+ と鉄(ⅢI)イオンFe3+ が生成
した。この反応について,次の各問いに答えよ。
(1) 過マンガン酸イオンと鉄(ⅡI)イオンの変化を,電子eを用いた反応式でそれぞれ
表せ。
(2) 過マンガン酸イオンと鉄(ⅡI)イオンの反応を, イオン反応式で表せ。
(3) 過マンガン酸カリウムと硫酸鉄(ⅡI)の反応を, (2) で省略されているイオンを補っ
て化学反応式で表せ。
747
175. 酸化還元反応式のつくり方・・・・・
Mn²+ +4H2O
解答 (1) MnO4- +8H+ +5e-
Fe2+
Fe3+ +e -
(2) MnO4- +8H+ + 5Fe2+
(3) 2KMnO4+8H2SO4 + 10FeSO4→
| +7
→
Mn²+ + 5Fe3+ +4H2O
K2SO4+2MnSO4+5Fez (SO4)3 +8H2O
解説 酸化剤・還元剤の働きを示す式を書き, 酸化剤と還元剤の電子
の出入りの数が等しくなるように, 式を組み合わせてイオン反応式をつ
くる。これに,省略されているイオンを補い, 化学反応式を完成させる。
(1) 硫酸酸性水溶液中で, 過マンガン酸イオン MnO4- は電子を受け取
ってマンガン(ⅡI)イオン Mn²+ に変化する。
MnO4- → Mn²+
+2
問題 176 180
→
Mn の酸化数が +7 から +2に5つ減少するので, 左辺に 5e を加える
MnO4- +5e- → Mn²+
左辺の電荷の合計は - 6,右辺は+2なので,両辺の電荷の合計が等し
くなるように, 左辺に 8H+ を加える。
MnO4- +8H+ +5e→ Mn²+
水素原子の数を合わせるように,右辺に4H2Oを加える。
MnO4- +8H+ + 5e ¯ →
Mn²+ +4H2O
...1
また, 鉄(II)イオンFe2+ は電子を1つ失い, 鉄(ⅢI)イオンFe3+ になる。
Fe2+ → Fe3+ +¯
...2
(2) ①+②×5 から, 電子e を消去すると,次のようになる。
MnO4- +8H+ + 5Fe2+
Mn²+ + 5Fe3+ +4H2O ... ③
(3) 硫酸H2SO4 の水溶液中での過マンガン酸カリウム KMnO4と硫酸
鉄(ⅡI) FeSO4 の反応なので、 ③ 式の両辺に K + と 9SO42-③を補うと,
KMnO4+4H2SO4+5FeSO4 • K + + Mn²+ + 5Fe3+ +9SO2+4H2O
ここで,右辺において, 陽イオン K+, Mn²+, Fe3+ と陰イオン SOか
らできる化合物は, それぞれ K2SO4, MnSO4, Fez (SO4)3 となるので, 右
辺は次のように示される。
5
右辺: 1/12/K2SO4+MnSO4 + // Fez (SO4)3 +4H2O
2
両辺を2倍すると, 化学反応式が得られる。
2KMnO4+8H2SO4 +10FeSO4
K2SO4+2MnSO4+5Fez (SO4)3 +8H2O
① 反応
増加す
eを
②酸
に1
③SC
(4H2
5Fe2
5SO4
らを
ISO