「鎌倉時代
900 1000 1100 1200 1300
700 800
奈良時代 平安時代
今は昔、比叡の山に児ありけり。僧たち、宵のつれづれに、「いざ、
児(が)いた
宵の所在なさに
かいもちひせむ。」と言ひけるを、この児、心寄せに聞きけり。さりとて、
ぼたもち(を)作ろう
と言った(の)を
期待して
そうかといって
かたかた
出ださむを待ちて寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、片方に寄りて、
作り上げる(の)を待って寝ない(のも
よくないにちがいないと
片隅に
寝たるよしにて、出来るを待ちけるに、すでにし出だしたるさまにて、
寝ているふりで
き上がるのを待ったところ
はやくも
ひしめき合ひたり。
騒ぎ合っている
LO