AgCl, AgSCN は溶解度積の値が非常に小さく、水にほとんど溶けない。
この性質を利用して,CI を定量することができる。 例えば,濃度がわからな
い CIを含む水溶液を一定量とる。ここに濃度がわかっている AgNO3 水溶液
を過剰に加えると,次の反応が起こり、溶液中のCIはほぼ完全に沈殿する。
AgCI↓
Ag+ + Cl
→
次に,溶液中に残った過剰分の Ag+を,濃度がわかっているチオシアン酸
カリウム KSCN 水溶液で滴定する。 この滴定では,加えたSCNとほぼ同じ
物質量の Ag+が次のように反応して, AgSCN の沈殿を生じる。
Ag+ + SCN → AgSCN ↓
終点を知るための指示薬として、硫酸アンモニウム鉄(III) FeNH4 (SO4)2
を加えておく。滴下したSCN がほぼすべてのAg+ と反応した後,さらに
(イ)
SCNを滴下すると, FeがSCNと結合して錯イオンを生じる反応が起
こり,溶液が赤色に変化する。
このように溶液が赤色に変化し始める点を, 滴定の終点とする。 以上のよう
な沈殿滴定法をフォルハルト法という。
a
下線部(ア)に関連して, 25℃において AgCl の飽和水溶液100mL中に溶け
ている AgCl の質量は何mg か。 その数値を有効数字2桁で次の形式で表す
とき, 17
~
19 に当てはまる数字を,後の①~⑩のうちから一
つずつ選べ。 ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。 また, 25℃にお
ける AgCl の溶解度積は1.8×10 -10 (mol/L)2 とする。
溶けている AgCl の質量
19
17
18 x 10
mg
1
② 2
④ 4
⑤ 5
⑥ 6
⑦ 7
8 8
9
0 0