172 DO ある河川より試料水を採取し、直ちに空気が入らないように100mLの密
閉容器(共栓つき試料びん)2本にそれぞれ正確に100mL 入れ,栓をした。直後に, 1
つの試料びん中の試料水に 2.0mol/L 硫酸マンガン MnSO4 水溶液 0.5mLと塩基性ヨウ
化カリウム溶液 (15% ヨウ化カリウムを含む70%水酸化カリウム水溶液) 0.5mL を静か
に注入し、栓をしたところ,溶液中でMn(OH)2の白色沈殿が生じた。 つづいて、栓を
押さえながら試料びんを数回転倒させて, 沈殿がびん内の溶液全体に及ぶように混和す
ると,沈殿の一部が試料水中のすべての溶存酸素と反応して、 褐色沈殿のオキシ水酸化
マンガン MnO (OH)2に変化した。
2Mn(OH)2 + O2 → 2MnO (OH)2(1)
その後,試料びん内に 5.0mol/L 硫酸 1.0mL を速やかに注入し、密栓して溶液をよく
混ぜると、以下の反応が起こり, 褐色沈殿は完全に溶解し, ヨウ素が遊離した。
MnO (OH)2 + 2I+4H + → Mn²+ + I2 + 3HzO
.....(2)
この試料びん中の溶液をすべてコニカルビーカーに移し, ヨウ素を0.025mol/Lチオ
硫酸ナトリウム Na2S2O3 水溶液で滴定したところ, 3.65mLで終点に達した。
I2+2Na2S2O3
> 2NaI + Na2S&O ••••••(3)
採取直後の試料びんの試料水 100mL中の DO 〔mg〕 を求めよ。 ただし, 加えた試薬の
液量は無視してよいものとして,計算せよ。
(14 医科歯科大)