B ヒトの活動は,生態系にさまざまな影響を及ぼしている。 かつて殺虫剤や農薬と
して使用された DDT により, 食物連鎖の高次消費者が激減したことがあった。 こ
れは,特定の物質が、周囲の環境に含まれるよりも高濃度で生物の体内に蓄積され
る 生物濃縮という現象による。
(b)
また,ヒトの活動によって意図的に, あるいは意図されずに本来の生息場所から
別の場所に移され,その場所にすみ着いている生物は外来生物とよばれる。近年,
こうした外来生物が生態系に及ぼす影響が大きくなっている。
問5/下線部(b)に関連して, 図2は, 海洋における食物連鎖の一例を示す。図2中
の矢印の先に示す魚は捕食者で,数値は捕食者を成長させる被食者の重量の転
換効率 (%) を示す。 例えば, 転換効率が50%のときは、捕食者1kg の成長の
ために被食者を2kg捕食することが必要であることを示す。 図2中のオキアミ
の DDT 体内濃度が0.01 ppm とすると,予想されるブリのDDT 体内濃度とし
て最も適当な数値を,後の①~⑥のうちから一つ選べ。 ただし,被食者の体内
に含まれていた DDT のすべては捕食者に移って体内にすべて蓄積され, 捕食
者における DDT の分解・排出はないものとする。 なお, ppm は重量の割合を
表しており, 例えば, ppm は, 体重1kgあたり1mgのDDT が含まれてい
ることを意味する。 18 ppm
オキアミ
20.05
⑤ 1.0
10
②0.1
⑥ 2.0
カタクチイワシ
図 2
20
③ 0.25
ブリ
4 0.5