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次の文章を読んで、下の~四の問いに答えなさい。答えは、解答シート
の最も適切な記号をマークしなさい。
とうたいそう
ふるさとの
すみたま
唐の太宗、即位の後、旧殿に栖給へり。破損せる間、
※2
湿気あがり、風霧をかして、玉体侵さるべし。臣下、
(入ってきて)
よし
たまは
※3
作造るべき由を奏しければ、帝云く、「時、農節な
り。民、定めて、②ひ有るべし。秋を待て、造るべ
うけ
し。湿気に侵さるれば、地に受られず、風雨に侵さる
かな
(地に受け入れられていない
ということであり)
そ
れば、天に叶はざるなり。天地に背かば、身有るべか
(天の心に合致していないということである)
おの
らず。を煩はさずんば、自づから、天地に叶ふ
べし。天地に叶はば、身を犯すべからず」と云ひて、
ひ
終に宮を造らず、古き殿に栖給へり。
(「正法眼蔵随聞記」による。)
りせいみん
※1 太宗=中国の唐王朝の二代皇帝、李世民。
※2 玉体=皇帝のお体。
※3_農節=農作業が忙しい時期。