眼は,光を受容し,その強さとしての明るさや, 光の波長の違いなどの情報を伝達
BER
することに関わる受容器である。
mの球形をしており、
●眼の構造と視覚が生じるしくみ ヒトの眼は直径約25mm
眼
球前部にある角膜と水晶体は光を屈折させて網膜上に像を結ばせる。 網膜には感覚細
rod cell
しさいぼう
もうほん
胞として錐体細胞と桿体細胞の2種類の視細胞があり(図2),これらの細胞によって
光を受容する。受容して得た情報は,網膜に分布する視神経繊維を通じて眼球外へ伝
わる。このとき,視神経繊維は1つの束となって,網膜を眼球内から外へと貫くため、
その部分には視細胞が分布せず, 光を受容することができない。この部分を盲斑とい
う。左右の眼球から出てきた視神経は,視交叉と呼ばれる部分で一部の神経が交差して
大脳にある視覚の中枢に情報を伝え、そこにあるニューロンが興奮して視覚が生じる。
自分の盲斑の形を調べてみよう (実験10)。
しこう さ
blind spot
鼻側) 右眼の水平断面 (耳側)
角膜
水晶体
瞳孔
虹彩
毛様体
結膜
チン小帯
網膜
脈絡膜
強膜
視神経
盲斑 視神経繊維
断
(左) 頭部の水平断面 (右)
視神経
視交叉
-ガラス体
脳
盲斑
黄斑
視神経の
細胞
黄斑
連絡の
ニューロン
視覚の中枢
網膜の右側の情報は右脳で、左側の
情報は左脳でそれぞれ処理している。
■光|
錐体細胞
網膜
桿体細胞
桿体細胞 錐体細胞
色素細胞
脈絡膜
血管
強膜
図21 ヒトの右眼の構造と視交叉
O
網膜の断面
20μm