基本例題5 分子進化
右表は,4種の生物種 A~D で共通して存
在するタンパク質Pのアミノ酸配列を比較し,
それぞれの間で異なっているアミノ酸の数を
示したものである。この違いは、A~Dの共
通祖先Xがもっていたタンパク質Pの遺伝子
が長い時間を経過する間に変化し,その結果,
アミノ酸配列にも違いが生じたことを示している。
右図は、表のアミノ酸置換数からA~Dの系統関係を推定し
てかいた系統樹である。 Xから A~Dまでの進化的距離は等しく,
化石を用いた研究から、BとCが2.0 × 107 年前に分岐したこと
がわかっている。次の値を計算し、有効数字2桁で答えよ。
(1) このタンパク質P を構成するアミノ酸1つが変化 (置換)する
のにかかる時間は何年か。
(2) A~Dが共通祖先X から分岐したのは今から何年前と推定されるか。
生物種
A
B
D
ABCD
38 36 34
8
19
17
指針 (1) アミノ酸置換数と分岐後の年数が比例すると考える。BとCのアミノ酸置換数が
つなので, 2.0 × 107 年前に分岐してからそれぞれ4つずつ置換したと考える。
(2) 表より AとB・C・D の間では平均 (38+36 +34) +3=36か所違う。 よって, 分
つまり,1つ置換するのにかかる時間は, (2.0 x 10′) ÷ 4 = 0.5 x 10 = 5.0 × 10°
岐してからそれぞれ 36÷2=18 か所ずつ置換が起こったと考えられ, (1)より、1つ
置換するのに 5.0 × 10 年かかる。 したがって, 18個では5.0 × 10 x 18 = 9.0 × 107
習 (1) 5.0×10 年
(2)9.0 x 10 年前
VE
生命の起源と進化 3