ある地域に,A地区4世帯とB地区4世帯があります。各地区の所得を
調べたところ,下記の表のようになりました。
1
(単位は万円)
11
2
3
4
合計
A 地区
300
550
750
900
2500
B地区
400
430
590
1080|2500
このとき,A地区とB地区ではどちらの方が,より格差があると言え
るでしょうか?
単純に,それぞれの地区の最大値を最小値で寄割った値(比)を求めると,A
地区では3, B地区では2.7となり,A地区の方が格差があるように見えます。
一方,それぞれの地区の最大値から最小値を引いた値(差)を求めると, A地
区では 600, B地区では680 となり,B地区の方が格差があるように見えます。
しかし,どちらも最大値と最小値以外の値を無視しているため,正しい判断と
は言えません.では,どのようにすれば,正しく格差を判断することができる
のでしょうか?
実は,所得格差を表す指標が存在するので,その数値の大小を比較すること
によって,どちらの方がより格差があるか正しく判断することができます。
般に,この指標はイタリアの統計学者であるジニによって考案されたことから
ジニ係数と呼ばれ,値が大きいほど, 格差が大きいと判断することができます.
具体的に式をかくと,n個の所得データを小さい順に並べ,それを
2,Z2,…, Z, と表したときのジニ係数は次のようになります。
1
={ (22-21)
gc=
(ェ-z)+ (z-fz)+
+(エーエォー)+(E,-Zォ-2)+…+(z,-z)} ……0
ただし, gc はジニ係数を表し, 0から1までの値をとります。また,zは所得
の平均を表します。
それでは,以上を踏まえ,実際にジニ係数を計算してみましょう。