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例題 2 酸化還元滴定
濃度不明の過酸化水素水 10.0mLをコニカルビーカーにはかり取り, 少量の希硫酸を加えて酸性にした。この
液をあたためながら, 0.010mol/Lの過マンガン酸カリウム水溶液を少しずつ加えたところ, 20.0mL滴下した
ころで溶液の色が変化した。 次の各問いに答えよ。
(1) 硫酸酸性の過マンガン酸カリウムと過酸化水素の反応を化学反応式で答えよ。
(2)この反応における過酸化水素のはたらきを答えよ。
(3) 下線部について, 溶液の色の変化を答えよ。
(4) 過酸化水素水のモル濃度は何mol/L か。 有効数字2桁で答えよ。
解説
(1) 過マンガン酸イオンが酸化剤としてはたらくときの反応は以下の通り。
2+
MnO4 + 8H+ + 5ę → Mn²+ + 4H2O …1
また過酸化水素が還元剤としてはたらくときの反応は以下の通り。
H2O2O2 + 2H+ + 2e .2
①式×2+②式×5より, 10e を消去すると,
2MnO4 + 6H+ + 5H2O2
→
・2Mn2+ + 8H2O +502
両辺に 2K+ と 3SOを補うと,
2KMnO4 +3H2SO4 + 5H2O2 →2MnSO4 + 8H2O + 502 +
K2SO4
(2)KMnO4 (酸化剤) に対し, H2O2は還元剤としてはたらく。
(3) 反応が完結すると. 赤紫色の MnO が反応せずに溶液中に残る。 よって, 溶液の色が無色から赤紫色に変化
したところを適定の終点とする。
(4) 酸化還元滴定での終点では, (酸化剤が受け取ったe-の物質量)= (還元剤が放出したe の物質量)の関係が
成り立つ。
1,2式より, MnO41mol は相手からe 5mol を受け取り, H2O21mol は相手にe 2 mol を与えること
がわかる。 過酸化水素水のモル濃度をc [mol/L] とおく。
0.010 mol/L X-
20.0
1000
L×5=c [mol/L] x
10.0
1000
・L×2