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基本 例題 56 剰余の定理利用による余りの問題 (2)
多項式P(x) を x+1で割ると余りが-2, x2-3x+2で割ると余りが-3x+7
であるという。このとき,P(x) を (x+1)(x-1)(x-2) で割った余りを求めよ。
指針 例題 55と同様に、割り算の等式 A=BQ+R を利用する。
基本55 重要 57
3次式で割ったときの余りは2次以下であるから,R=ax2+bx+cとおける。
問題の条件から、このα,b,c の値を決定しようと考える。
別解 前ページの別解のように,文字を減らす方針。 P(x) を (x+1)(x-1)(x-2)
で割ったときの余りを,更にx3x+2 すなわち (x-1)(x-2) で割った余りを考
える。
P(x) を (x+1)(x-1)(x-2) で割ったときの商をQ(x),
解答
余りをax2+bx+c とすると,次の等式が成り立つ。
......
P(x)=(x+1)(x-1)(x-2)Q(x)+ax2+bx+c
ここで,P(x) を x+1で割ると余りは−2であるから
②
P(-1)=-2
①
3次式で割った余りは, 2
次以下の多項式または定
数。
また,P(x) を x-3x +2 すなわち (x-1)(x-2) で割った
ときの商をQi(x) とすると
B=0 を考えて
x=-1, 1,2
を代入し, a, b, cの値
を求める手掛かりを見つ
ける。
P(x)=(x-1)(x-2)Q1(x)-3x+7
ゆえに
P(1)=4
......
③, P(2)=1
......
④
よって, ①と②~④より
a-b+c=-2, a+b+c=4,4a+26+c=1
この連立方程式を解くと
a=-2,6=3,c=3
したがって 求める余りは
(第2式) - (第1式) から
266 すなわち 6=3
(2)
指
2x2+3x+3
別解 [上の解答の等式① までは同じ ]
x2-3x+2=(x-1)(x-2) であるから,
(x+1)(x-1)(x-2)Q(x)はx-3x+2で割り切れる。
ゆえに,P(x) をx2-3x+2で割ったときの余りは,
ax2+bx+cをx2-3x+2で割ったときの余りと等しい。
P(x) をx2-3x+2で割ると余りは-3x+7であるから
ax2+bx+c=a(x2-3x+2)-3x+7
よって,等式①は,次のように表される。
P(x)=(x+1)(x-1)(x-2)Q(x)+α(x2-3x+2)-3x+7
したがって P(-1)=6a+10
P(-1)=-2であるから 6a+10=-2
よって
a=-2
求める余りは-2(x2-3x+2)-3x+7=-2x+3x+3
この解法は、下の練習56
を解くときに有効。
ax2+bx+c を
x2-3x+2で割ったとき
の余りをR(x) とすると
商は αであるから
P(x) (水)
=(x+1)(x-1)(x-2)Q(x)
+α(x2-3x+2)+R(x)
=(x2-3x+2)
{(x+1)Q(x)+α}+R(x)