8.
自由電子が移動することによって導体には
電流が流れる。 導体中の自由電子の数密度
(単位体積当たりの個数) nは,その導体を特
徴づける基本的な量の一つである。 n を求め
る実験を考えよう。
図のように, 幅がw, 高さがd の長方形の
断面をもつまっすぐな導体中を大きさの電
流がy軸の正の向きに流れている。 導体の幅
と高さの方向にそれぞれx軸と軸をとる。
また、導体の両方の側面 KLMN と PQRS
の間の電位差を測定できるように電圧計が接
続されている。 電子の電荷をe (e>0) とし
次の問いに答えよ。
K
電圧計
(V
L
I
W
N
B
P
2
S
/R
(1) この導体に軸正の向きに磁束密度Bの一様な磁場をかけた。このとき,自由電子
の速さをvとすると、 自由電子1個が受けるローレンツ力の大きさはいくらか。 0, B,
e を用いて答えよ。
(2) 自由電子はローレンツ力により, 導体側面の一方へ集まり、 他方は少なくなる。
この結果, 両方の側面には互いに反対符号で等しい量の電荷があらわれ, 導体内部
にはx軸方向に電場が発生する。 最終的には, この電場から受ける力と磁場による
ローレンツ力がつりあって自由電子は (1) と同じようにy軸に平行に運動する。この
ときの電場の強さEをぃと B を用いて表せ。
(3) (2) 自由電子がy軸に平行に運動するようになったとき導体の両方の側面の間の電
位差V を測定した。 自由電子の数密度を、このV と, I, B, de を用いて求めよ。
(4) 側面 KLMN と PQRS ではどちらの電位が高いか。