こ酢にてきはまれり」と言へば、主人その言葉に感じてや
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「いかにもおもしろし。風流の道さるべきことなり」とて、言
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ふままの値に買ひ取りぬ
やR54 し
(『雲津雑志」による)
予ー一人称。
重器 大切な宝物。
売るまじきを
その許 二人称。
次の文章は、茶道を趣味としている主人が、商人から勧
(注)
5
日
められた水差しの購入を筆者に相談しているところである。こ
売らないだろうに
3
の文章を読んで、後の各間い(問一~五)に答えよ。
水注1)
(注2)
ーき
商人聞きて予に言ひけるは、「知らせ給ふほどの重器を、他
(注3)
の商人の手に渡らば、なかなかかかる値には売るまじきを、わ
れらなればこそかく廉価にはまゐらするなり。ただ申すままに
買ひ取り給へかし」と言ふに、主人また予に言ふやう、「いか
に思ひ給ふぞ。値高きに過ぎたりと思ひぬ」と言ふに、予答へ
しな(注)-
て、「その品その許の心にかなひ侍るにや、いかに」と言へば、
「心にかなひてほしけれども、値の高ければ求めがたし」と言
ふ。子また答へて、「その値に買ひ取り給へ。いかにとなれば
商人はよき道具なればこそ、その詐をさして持ち来たれり。さ
あらばこの器金一枚に買ひ取り給はば、器の値はもはやその許
が定規なり。この器いかなるゆゑありて他へ行くとも、値はこ