8次の文章を読んで一
子どもはもともと発見、創造を得意としている。しかし、飽きっ
ぼい。子どものうちに鍛えなければならないのは、創造性よりもむ
しろ、難しいことをすぐにあきらめず、同じことを繰り返すことに
飽きたりせず、粘り強くつづける力なのである。 その「粘り強さ」
をはぐくむのが遊びだ
遊びの効用はいろいろある。遊びは、人をリフレッシュさせ、人」
との社会的な関係を築いていくのに役立つ。運動をともなう遊びは
運動能力の発達にも重要だ。しかし、それ以上に、子どもの時の遊
びは知性の発達に非常に重要なのである。
知性の発達の根幹は、象徴する能力である。人間以外の動物と比一
べて人間が格段に違っているのは、この「象徴能力」であると言っ
てもよいだろう
一般的には「象徴」ということばは「ハトは平和の象徴」という
ように使われる。ここでの「象徴」は、目に見えない A_的な概
念をある■B 物に代表させる機能という意味で使われている。し
かし、本来「象徴」というのはその逆の方向、つまり C_から情一
報のエッセンスだけを取り出し、D_ 化したものなのである。私
たちが目の前にしているモノや出来事は、膨大な情報を含んでいる。
同じモノでも光の当たり方によって目に入ってくる情報は違う。膨
大な情報を必要最小限のエッセンスに圧縮し、抽象化したものが象
徴(シンボル)である。
解
私たちは絵を描くとき、程度の差はあれ、すべて自分で観た世界一
をシンボル化している。どんなにせいみつな具象画でも、目にした一
世界をある一定の光や環境のもとで切り取り、自分の解釈を加えて
ーH
『ILー