1今や状況は一変し、「情報はタダ」という認識が一般化しています。どれだけタダで出
して知名度を高めるか、あるいは好感度を持たれるかといったことが、情報発信側の勝負
どころになっている。情報の発信者ではなく、ネット利用者の方が立場的に強者になって
いるのです
2結果として、タダで発信される情報は、すべて並列的に同じ情報として扱われます
特定のキーワードを入力すれば一律的に検索の網にかかるという意味で、誰でも同じ情報
を手に入れられる世の中であるわけです。例えば、領学と呼ばれる学間の大家が心血を注
いで書いた言葉や、アイドルの言葉や、一般の人による「街の声」や、あるいはショップ
や商品の宣伝文句などのような、タダの情報は、すべて同じ価値の情報として扱われてい
ます。言い換えるならば、世の中全体が水平化、フラット化した社会になりつつあると言
えるでしょう。
もちろん、ネットを使うことによって、志を共有する人を見つけられる可能性は広が
るでしょう。その意味では肯定的な使い方もありえます。しかし、今日のような「検索万
能社会」のなかで、「精神のコスト」をかけずに得られるものは、しょせん大したものでは
ないのです