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コラム
質四方山話 核酸の構成
核酸》 すべての生物の細胞には, 核酸と呼ばれ
高分子化合物が存在する。 核酸には、遺伝子の
一体であるDNA (デオキシリボ核酸)と,タンパ
合成などに関与するRNA (リボ核酸)がある。
JAはmRNA (伝令RNA), tRNA (転移RNA,
RNA), rRNA (リボソームRNA) の3種類が
知られている。
NAは核に,RNAは核と細胞質にそれぞれ存
る。
■レオチド》 核酸の構成単位は,リン酸, 五
窒素を含む環状構造の塩基 (核酸塩基) の
結合したヌクレオチドと呼ばれる物質であ
DNA
る (a)。 核酸は, ヌクレオチドの糖部分の3位
ーOHとリン酸部分のOHの脱水縮合によりリ
ン酸ジエステル結合を形成してできた直鎖状の高
分子化合物 (ポリヌクレオチド) である。
《核酸の構造》 DNAやRNAを構成する糖部分は
2種類あり, 糖部分がデオキシリボースのものが
DNA, リボースのものがRNAである。
《塩基の種類》 DNA, RNAを構成する核酸塩
基は,それぞれ4種類ずつあり、そのうちアデ
ニン (A),グアニン (G), シトシン (C) の3種類
は共通である。 残り1つは、DNAがチミン (T),
RNAがウラシル (U) である。
NH2
RNA
N.
N
NN
⑤
アデニン
O
N
H
NO
物質四方山話
はたらき
《DNAの構造≫ DNAは, デオキシリボースが
リン酸ジエステル結合によってつながったポリヌ
クレオチド鎖で構成される。 それぞれのデオキシ
いずれかの塩基が結合して
リボースには4種類のいる
どうしの関係を溶性という
仁重らせん 1933年、クトリンクス)
カ)とクリック(イギリス)は、
いる。この塩基のならび順(塩基配列)が遺伝情
そうせい
報となる。
リヌクレオチドそ
に基づくのによって oh
きならせんを抱いているという
《塩基の相補性》 DNAの4種類の核酸塩基のう
ち, アデニン (A) はチミン (T)と2本の水素結合
合で、それぞれ塩基対をつくる。 このような塩基
ち、グアニン(G)はストラン)と3本の水素結
グアニン
DNAの主鎖
FN
水素結合 H
OH-N
-N
N=
H
N-H-N
(シトシン】
N-H N
DNAの主鎖
ん構造をした
いる。
本のポリヌクレオチドでること
3.4mm
A
OH
HO-P
リン酸
-O-CH,
④ <H [HO
HoH デオキシ
OH H リボース
HO-P-
OH
⑤
-O-CH,
O
リン酸
ウラシル
[リボース
ka ヌクレオチド リボースの2位のCに結合しているOHがHになったものが デオ
リボースである。
S
NH2
N-C
SN
H-C
H-C
C.
NH
糖
B
酸 S
H
塩基
N
アデニン (A)
CH3 H
N
Z-C
0=8
O=C
N-C
0=0
N.
-N-
H 水素結合
N-HO
NH-N
N=
▲図a 塩基の相補
チミン
CH 3
N
20m
図b DNAの二重
気づきLabo ゼリーがとけるのはなぜか
生のパイナップルと
缶詰のパイナップル
をそれぞれ一口サイ
H
N
C
N
ANH2
グアニン(G)
タンパクの
NH2
H
CH
O=0
ズに小さく切る。
ゼラチンを含むゼリーを
2つ並べ、片方には生の
パイナップルを、もう片
方には缶詰のパイナップ
ルを置く。