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2種類のアミノ酸 A,Bと3個以下のアミノ酸からなる2種類のペプチド C,D の各水溶液がある。 それぞれ
の成分の構造を調べるために以下の8種類の実験を行った。 問1~問7に答えよ。 なお、ここで使用したアミノ酸
とペプチドはタンパク質を構成する α-アミノ酸からなるものとする。
(00
<実験 >
*H₂N-¿-
(1) 中性付近(pH 5~8) の緩衝液の入った電解槽に各水溶液を加えて電気泳動を行ったところ, ペプチドCは
ほとんど移動しなかったのに対し, アミノ酸BとペプチドDは陽極側に、アミノ酸Aは陰極側に移動した。
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(2) 各水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にした後、 硫酸銅(II) 水溶液を加えたところ, ペプチ
ドDの水溶液のみ赤紫色を呈した。
(3) 各水溶液に濃硝酸を加えて加熱した後、 水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性にすると, ペプチド C と
ペプチドDの水溶液は橙黄色を呈した。
(4) 各水溶液に水酸化ナトリウムを加えて加熱した後,酢酸鉛(II)水溶液を加えると, ペプチドDの水溶液の
み黒色沈殿を生じた。
GH₂017
LS
(5) アミノ酸BとペプチドDにエタノールを作用させると, それぞれの分子量より 56.0 だけ大きい物質が生成
し, アミノ酸B 6.51mgを原料として使用したところ, 8.99mg の生成物が得られた。
エステル
(6) ペプチドCの元素分析を行った結果, 炭素 61.0%, 水素 6.80%, ' 酸素 20.3%, 窒素 11.9%であった。
C-o-le Hs
(7) ペプチドCに希塩酸と亜硝酸ナトリウムを作用させ、 その後に加水分解すると、 生成物の一つとしてヒドロ
キシ酸である乳酸が得られた。
(8) 20個のペプチドDを脱水縮合することによって調製した重合体 1.59mgを量り取り 100mLの水溶液を
つくった。 その水溶液の浸透圧を測定したところ, 27℃において 5.00 Pa であった。 なお、調製した水溶液
の密度は1.00 g/cm²であった。
@ 問1 下線部①について アミノ酸Aの構造的な特徴を説明せよ。
12 下線部②の反応を何とよぶか。 また, 本反応において赤紫色を呈する理由を 「錯イオン」 または 「錯体」 と
いう語句を用いて50字以内で説明せよ。
1
0 問3 下線部③の定性反応において黄橙色を呈するアミノ酸を2つ挙げよ。
問4 アミノ酸BとペプチドCの構造を例にならって記せ。また、根拠も記せ。
なお, 光学異性体については考慮する必要はない。
問5 ペプチド D を構成するアミノ酸の結合順序は不明である。 可能な構造異性
体数はいくつか。 また, 根拠も示せ。 なお, 光学異性体については考慮する必要はない 。
問6 ペプチドDの分子量はいくらか。 計算過程を示し, 有効数字3桁で答えよ。
問7 下線部④について、 水溶液の中に酸やアルコールを加えると沈殿が生じる。 酸やアルコールを加えることに
よって沈殿が生じる理由を50字以内で説明せよ。
H-C-
構造式例